サーキットに舞う白煙にも、彼女たちの視界は曇らない。ハイパワー車を華麗に振り回す、「ドリフト女子」たちの素顔やいかに⁉
今回は女性だけのドリフト大会「ルミライズ」(富士スピードウェイにて開催)の参加者のうち、石川県から上京しD1(ドリフトのプロ競技)ドライバーを目指す「RIKA」さんをご紹介。
◆◆◆
全治3ヶ月の重傷も、成功へのバネに
昔から、父がサーキットに通うくらいの車好きで、小さい頃はよく隣に乗せてもらっていました。でも、不思議と車に興味は抱いてこなかったんですよね。ドリフトを始める以前は、普通にオートマの軽自動車に乗っていたくらいで。
ドリフトに目覚めたのは、『頭文字D』のゲームがきっかけなんですよ。ハマってゲーセンに通い込むうちに、自然と「現実でもドリフトをしてみたい」と思うようになっていって。
やっぱり、父は私にも車好きになってほしかったのか、「スカイライン買おうかな」と言った時にはめちゃくちゃ喜んで。ウキウキしながら「一緒に見に行くか」と、中古車店を見て回ったのを覚えています。
当時はドノーマルでしたが、7年かけて少しずつGT-Rの外装に仕上げていって。ボンネットとバンパーは「Z-tune」という限定仕様と同じデザインにしました。お気に入りなのですが、本物だと1台4000万円とかするので、「窃盗犯が間違えて盗んでいってしまうんじゃないか」とヒヤヒヤする面もありますね。
普段の街乗りもこの車なので、地元ではすごく目立ってしまいます。ちびっ子たちが、駐車場で「これ誰の車だろう」と私の車を興味深そうに見つめていたり。その時は思わず近寄って、改造のポイントやドリフトの魅力について熱く語ってしまいました。いちいち「へぇ~」と目を輝かせてくれて、嬉しかったですね。
ドリフトをやるからには徹底的にやりたいと思い、ドライバーの育成プロジェクトに応募して、それを機に地元から東京に出てきたんです。今は飲食店で働きつつ、D1ドライバーを目指し、徐々に地方戦にも参加していこうと思っています。
でもやっぱり、まだまだ修行が足りないところばかりで、今年のはじめにサーキットで大きめの横転事故を起こしてしまって。両ひざがハンドルの下に食い込んで陥没骨折、足首も剥離骨折という状態で、全治3ヶ月と診断されました。
それでも、ドリフトを辞めようとは一切思わず、事故の後1ヶ月半くらいで走りに行っていましたね。いちいち怪我のリスクを考えていたら、攻めた走りもできなくなってしまいますし。単純に、自分の技術不足で招いた結果なので、これからも修行あるのみです。
写真=坂口尚
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。