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 4人には車が必要だった。闇サイトを通じて請け負ったオレオレ詐欺の「受け子」をこなし、そこで得た金を持って関西方面に遊びに行く計画を立てていたからだ。知人を介して知り合った16歳の女子高校生を「一緒に関西に遊びに行こう」と誘って車に乗せると、2日後には、素性も分からない指示役から伝えられた神奈川県大和市の高齢女性(当時81歳)に息子を騙って電話をかけ、夜には直接出向いて現金140万円をだまし取る。直接受け取ったのはD、他は運転や見張り役だった。

 受け取った金は、取り分を除いて指示された先に届けるはずだった。だが4人はその140万円を丸々持って逃げると、一路西へ向かった。

「犯罪グループの指示に背いて全額をくすねる行為にはリスクもありますが、彼らはそんなことを気にもしなかったでしょう。初めからそれを遊ぶ資金にするつもりでした。彼らは詐欺を働いた翌日には高知まで行っています」(前出の記者)

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被害女性に殴る蹴るの暴行、裸にして撮影、明るくなるまでレイプ

 6月23日に高知で合流したのがEだった。男4人とはSNS繫がりで知り合ったが、初対面だったという。6人となった一行は、道すがら酒を飲み、瀬戸大橋を通って岡山へと渡る。そして行為はここから更にエスカレートする。

 24日に岡山県倉敷市のホテルにチェックインをした一行の牙がその夜、同行する少女に向けられた。

「約束が違うじゃねえか」

 初めにそう語気を強めた男たちは次第にボルテージを上げた。場を外していたDを除き、並びで借りた2部屋の一室にいたA、B、C、Eの4人は少女の腹に蹴りを入れ、顔を殴り始めた。そして服を脱がし、Eはその様子の撮影まで始めた。

「連れ」だったはずの少女への暴力について、後に逮捕されたAは「金のことでトラブルになり、制裁を加えようと思って殴った」と供述している。

「一緒に遊びに出るにあたって男らは少女にも金を払うよう求めていたか、そんな因縁をつけたようです。でも少女にそんな金を出すことはできない。そこで連中が及んだのが制裁と称するリンチでした」(同前)

※写真はイメージ ©️iStock.com

 未明から早朝まで殴られ続けた少女を襲ったのはさらなる凶行だった。服を剝がれた少女は、AとBに次々に犯された。Aが終わると、隣の部屋に移ってBに。その間、次第に意識が薄れた少女は抵抗もできなくなっていた。レイプは明るくなるまで続けられた。