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 さらに画期的だったのは、国葬に参列される両陛下が記帳される場面の映像が音声とともに公開されたことだ(AP通信)。

「メッセージが」とお2人で声をかけあいながら記帳され、陛下に続いて雅子さまが書き終えられると、目を合わせて微笑まれたのが印象的だった。

雅子さまの“全身ロイヤルブルー”スーツ

第77回国民体育大会の総合開会式が行われる「カンセキスタジアムとちぎ」に到着し、佐藤栄一宇都宮市長の出迎えを受けられる天皇皇后両陛下 ©時事通信社

 10月1日、国民体育大会総合開会式に臨席されるため、両陛下は栃木県を訪問された。約2年8カ月ぶりという地方訪問で、雅子さまは、ぱっと目を引く華やかな全身ロイヤルブルーのスーツでお出ましになった。ジャケットの襟などにホワイトのトリミングが施され、帽子はホワイトの地にブルーのリボン。少し離れたところからでも、その場に雅子さまがいらっしゃるとわかる。沿道には多くの人々が詰めかけたが、たとえ車に乗って一瞬で通り過ぎられても、雅子さまのお姿を強く印象づけられるお召し物を選ばれたように思う。

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 このロイヤルブルーは、雅子さまが90年代からさまざまな場面でお召しになってきた色で、英王室旗に取り入れられている色でもある。イギリスご訪問を無事終えられた自信が伝わってくるようだった。

「日帰り訪問のお帰りは、皇居へのご到着が約30分遅れたようです。はっきりと理由は分からないですが、スケジュールを見ると最後に知事による県勢聴取があり、この懇談が盛り上がったのかもしれません。お見送りの時、陛下から栃木県に対して励ましのお言葉があったようです」(皇室記者)

栃木県鹿沼市の北犬飼コミュニティセンターで県勢概要を聴取された雅子さま ©JMPA

 天皇陛下は、今年の誕生日に際した記者会見で、「新型コロナウイルス感染症の影響により、国民の皆さんと広く直接触れ合うことが難しくなっていることを、私も雅子も残念に思っています」と述べられた。栃木ご訪問では、大会関係者が出席するレセプションなどでの直接の交流はなく、コロナ以前と異なる状況ではあるが、内外で、対面でのコミュニケーションが徐々に戻ってきていることが実感される。