サウナ愛好家を指す「サウナー」という言葉が定着し、「ととのう」というサウナ用語は、2021年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、多くの人がサウナに親しんでいる昨今。利用者が増えたため、サウナ室でヤバい客に遭遇するケースも少なくないという。

 そこで今回はサウナ愛好家の男性陣が出会った、フリーダムすぎる客の目撃談を紹介する。

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歌舞伎町のスパでの「レアな体験」

 水田隆さん(仮名)は、歌舞伎町の老舗スパで緊張感のある時間を過ごした、と振り返る。

「そのスパはいつ行っても空いていて、普段から貸切状態になれるので気に入っていました。でも、その日は珍しく10人前後の団体客が一斉に入ってきたんです」

 一般客がたくさん来ただけなら何の問題もないが、ここは歌舞伎町のサウナ。彼らの全裸を見た瞬間、水田さんに緊張が走った。

「入ってきた全員の腕や背中、脚にびっしりと和彫の入れ墨が彫られていたんですよ。なので、大浴場はヤクザ10人に対して、カタギは自分1人だけ、という状況になってしまい、さすがにしびれましたね。ただ、若い衆は教育が行き届いていたのか、テレビや映画で見るような傍若無人な振る舞いをする人はおらず、黙々と体を洗っていました」

 湯船の水面は、入れ墨で鮮やかに色づいたという。「彼らに何かされたわけではないが、とにかく居心地が悪かった」と、水田さん。

「じつは、サウナにも入れなかったんです。そこのサウナ室は3人で満員になるくらいの狭さ。そこに彼らの兄貴分が入っていたようで、若い衆が両側から兄貴分を団扇で扇いでいたので定員に達していました。しかもサウナ好きだったらしく、何十分も出てこない。仕方ないので、サウナを諦めて風呂をあがりました(笑)。

 個人的にはレアな体験だし、迷惑とは思いませんでしたね。ただ、ヤクザの巣窟になっていると、一般客が遠のきそうなのでスパの経営が心配です。実際、いつ行っても本当にガラガラなんですよね……」