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 脱会の説得は、親が子どもに対して行なう場合が多く、夫や子どもたちが「壮婦」を助け出すケースは少ない。

「統一教会から妨害される恐れがあるので、自宅とは別に話し合い用のマンションを借りて、家族全員の仮住まいとしました。経営している会社のことが気になる父には、次第に焦りが生まれました。父の気持ちが折れないように、僕は気を遣いました」

 弟2人には学校を休んでもらったが、下の弟の欠席は小学校で問題になった。母を伝道したのが同級生の母親だったから、なおさらだ。

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「父と僕で校長先生に事情を説明して、承諾を得ました。母は脱会後、ほかの信者の脱会支援活動に、積極的に関わり続けています。

 時期的には、山上容疑者の母親が入信したのと同じころです。きちんと相談できる場所に辿り着けなかったのが、山上家の不運だと思います。専門家の力を借りず、家族だけで助け出すのは困難だからです。それと我が家の場合、父が積極的に動いたので母を救出できました。父親を早く亡くしている山上家の子どもたちだけでは、どうすることもできなかったかもしれません」

 山上容疑者の母が1億円もの献金をしたのは、先祖の供養に役立ち、家族の幸せのためになると信じ込まされたからだ。統一教会は信者とその家族に、教えとは真逆の現実をもたらしている。

 現在、配信中の「週刊文春 電子版」では、5つの信者家族がその苦悩と統一教会との戦いを告白している。脱会に成功した妹が家族に語った意外な一言、娘が合同結婚式に参加し結婚したことを知った母の衝撃……そこにはさまざまな悲劇があった――。

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