《インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)氏が、2022年10月3、4の両日、沖縄県名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前を訪れ、「新基地断念まで 座り込み抗議 3011日」と記す掲示板を「0日にした方がよくない?」などとツイートし、市民の反発を招いた。ひろゆきさん関連の記事をまとめました。》(沖縄タイムス)
沖縄の記者は中立にこだわらない?
10月7日に放送された「ABEMA Prime」に出演し、ひろゆき氏と議論を交わした沖縄タイムスの阿部岳記者は、記事を書くだけでなくツイッターでも積極的に発信している。リプライが数多く寄せられているが、私は阿部記者宛にある「スクショ」が定期的に貼られていることに気づいた。それは阿部記者のテレビ番組でのかつての発言なのだろう、
「中間中立で報道しているという気は確かにない」
というテロップ入り写真だ。
これを貼り付け「そもそもお前は偏向しているではないか」と。これを見て、「新聞記者なのに中立じゃないんだ」と思う人もいるだろう。
しかし、私は以前から沖縄の記者が中立にこだわらないことを知っていた。
何冊かの本を読んでいたからだ。まず『何が記者を殺すのか』(集英社新書)。著者は毎日放送のドキュメンタリー担当ディレクターの斉加尚代氏。今年公開された『教育と愛国』の監督でもある。映画制作に至る過程のほか、沖縄の基地問題、ネット上でのバッシングなどのテーマについて書いている。
沖縄の地元紙は偏っているのか
自民党議員から「偏向報道」とたびたび攻撃される沖縄の地元紙は本当に偏っているのか否か。斉加氏はまず「琉球新報」の社是に注目した。社是には「不偏不党、報道の自由と公正を期す」とあり、「公正中立」と書かれていないからだ。中立に重きを置かないのである。
この意味は何か? ライバル紙でもある「沖縄タイムス」の社長・武富和彦氏も「中立」について次のように語っていた(発言当時の肩書は編集局長)。