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 自分のことを言うと、私も8月に辺野古へ行き、現場にいる人の話を聞いた。ひろゆき氏とまったく同じ場所だ。数分間でも話を聞ければと思っていたが気が付くと50分間も話し続けてくださった。1995年の少女暴行事件から時系列で話し始めると必然とそうなるのだ。

「楽しくやらないと心が折れてしまう」

 そのあと沖縄県知事選に出馬した3人の候補者の演説現場も見たのだが、今でも忘れられない言葉がある。玉城デニー氏の演説現場でのこと。自分で作った応援グッズを手にする陽気な年輩のお姉さまたちがいた。楽しそうだなぁと思って話を聞いてみると「確かに楽しいですよ。でも楽しくやらないと心が折れてしまうから」と言われたのだ。

沖縄の地元女性に話を聞く筆者とダースレイダー氏(写真:筆者提供)

 沖縄へのデマやヘイト問題、そもそも本土には沖縄の声が届いているのか? と毎回感じさせられて「心が折れそう、へこたれそう」という。さらに言えば本土の「無関心」も辛いのだ。基地問題に賛成(容認)の人ももちろんいる。しかし賛成反対の前に「日本全体で考える問題です」という声が多かった。

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 これらの言葉を聞いて自分が沖縄について「知らないことを知ろう」と痛感したのである。その矢先のABEMAのアレだった。

 冒頭の鎮目氏コラムに戻ろう。テレビ朝日への言葉。

《ぶっちゃけ視聴者をあおってそれで話題にしようとか、メディア企業としては結構カッコ悪いことだと思うんですけど、本当にその路線でいいんですかね?》(夕刊フジ10月20日)

 出演者の態度は今後も変わることはないと思われる。それなら問われるのはABEMA、いや、テレビ朝日である。今回の件に沈黙したまま、話題になったら勝ちだとニヤニヤしながら、これからも「あおり芸」でいくのだろうか。