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必死の捜索の末に…
夕刻、畑仕事から自宅へと帰ったA夫婦に不安が襲った。いつもいるはずのBが家のどこを探してもいなかった。さらには、家屋の内外がただならぬ雰囲気を醸し出していた。
A夫婦は即座に近所の者に状況を知らせ、応援者とともにBの捜索を始めた。しばらくすると、家から50mほど離れた場所に点在する血痕を見つけた。
血痕をたどると、さらに50mほど進んだ場所で布切れを発見した。イバラの小枝に引っかかった布切れをよく見ると、それはBの着物の一部であった。
不安は増すばかりであったが、さらに捜索の範囲を広げ、Bの行方を懸命に探し続けた。着物が引っかかっていたイバラから、さらに600mほど先の林の中へ入ると愕然とした。
笹藪の中に遺体が発見された。臀部と両足の肉がほとんど食い尽くされていた。周囲には内臓が飛び散っており、全身に無数の爪痕が残されていた。無残極まりない、変わり果てた姿だった。
その後、少女を襲ったヒグマの捜索が続けられたが、ついに捕獲されることはなかった。
なお、少女とその家族を襲ったこの一連の悲劇は、「下富良野少女ヒグマ襲撃事件」として、当時の新聞『北海タイムス』が報じている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。