毎年、全国の高校生300人近くが議論に参加する「高校生直木賞」(第9回は38校が参加)。2014年5月に第1回を開催した本賞は、来年で10回の節目を迎えることになります。

記念すべき第10回は、

●地方予選大会と全国大会の2回にわけて徹底議論!
●受賞作を決める全国大会を文藝春秋(東京都千代田区)にてリアル開催!

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と、決定しました。

コロナ前の第6回は全国から28校が一堂に会して議論した
第9回は完全オンライン開催となった

開催概要

 

多くの学校のご参加をお待ちしています!
賞の詳細、参加条件、応募方法などは、上記ホームページをご覧いただくとして――

ここではふだんよく聞かれる質問に答えながら、高校生直木賞の特徴と魅力を、簡単に紹介することにします。

★「小説を書いて応募する」賞ではありません

高校生たちが書いた小説を読んで選考するのではなく、直近1年の直木賞候補作から「今年の1作」を選ぶのが高校生直木賞です。候補作の図書購入費は実行委員会が負担します。

★「ビブリオバトル」とも違います

ビブリオバトルは、本の魅力を未読の人にむけて発信するものです。発信者のプレゼンテーション能力が、見どころ、聞きどころといえます。

いっぽう高校生直木賞は、参加者全員が候補作すべてを読み、さらに各校内で議論をした上で代表者が集まります。本番の大会では、直木賞とほとんど同じ選考方式で議論を進めていきます。

ですから「誰かが話して終わり」ではなく、肯定的な意見にも否定的な意見にも(発信者のプレゼン力に関係なく)、リアクションが必ずあります。

そして、1冊の本に対する様々な意見に接することで、参加している高校生は驚き、時には自分の意見をガラッと変えて、議論を深めていくことになります。

過去に実際にあった例をご紹介しましょう。ある歴史小説についての議論で、

「ちょうど授業で習ったから面白く読めた」

と、高校生らしい意見が出たことがあります。すると即座に、

「たしかに『プロジェクトX』みたいに面白く書かれているけど、それは歴史の題材の面白さであって、小説本来の面白さとは区別するべきではないか」

こういう意見が返ってきました。さらに、

「題材の面白さって、小説本来の面白さと違うものなの?」
「高校生直木賞は、どういう“面白さ”を評価するの?」

といった、小説の読み方そのものに関わる問いが投げかけられたりもします。

「歴史を描くことの中に、現代の私たちにも通じるメッセージが込められているのがいい」

という意見もあれば、