〈あらすじ〉
エストニアのとある寒村。11月の「死者の日」に、村人たちは死んだ家族を家に迎える。疫病神、精霊、人狼が徘徊する中、貧しい村人たちは悪魔と契約して手に入れた精霊“使い魔クラット”を使役し、互いに物を盗み合いながら必死に生きていた。農夫の1人娘リーナ(レア・レスト)は村の青年ハンス(ヨルゲン・リイイク)に恋をしているが、ハンスは彼女を相手にせず、領主であるドイツ人男爵の娘に恋い焦がれている。リーナが村の魔女に恋の相談をする一方、悪魔と契約を交わしたハンスは、クラットを使って男爵の娘を連れ出そうと試みるが……。
〈解説〉
すべてのものに魂が宿るというアニミズムの思想をもとに、エストニアの民話とキリスト教の神話を組み合わせたダークで幻想的なラブストーリーを、モノクロの映像で描く。監督・脚本はライナル・サルネット。115分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆不穏な空気とケレン味に苦笑しながら、まんまと乗せられた。ディープなヨーロッパ。人と獣と満月と。おかしみもあり。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆奇怪なイメージの連打でラブレー風の放埒に赴くのかと思ったら、シリアスな呪術的描写が多い。醜悪の映像化は難しい。
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斎藤綾子(作家)
★★★★★冒頭の出来事に腰を抜かし、霧に包まれた不思議な映像に惹きこまれ、万霊節の様子にキヲツケ、水中のキスで恍惚に。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆美学的な幻想奇譚に、ジャンル映画の部品が組み込まれて頑丈な仕上がり。異素材MIXの質感を魅力にする撮影が秀逸。
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洞口依子(女優)
★★★★★アニミズムの思想、民間伝承が生活の一部だった過去の時代への奇妙な召喚。現代のAI的農具と牛骨のクラットに魅了。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『ノベンバー』(ポーランド、オランダ、エストニア)
10月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
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