〈どがん向かい風にも負けんと、たくましく生きるとぞ〉
〈ばんば、今までありがとう〉
NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」で主人公・岩倉舞の祖母を演じる高畑淳子(あつこ)(68)。祖母と孫娘の、時に厳しくも心温まる交流に早くも「神回」との声が漏れたが、実生活でも家族への熱い思いが……。
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「高畑さんはとにかく役作りへの集中力がすごい。船のシーンでは、実際は2階建ての船の1階部分で別の人が操船しているんですが、『およ〜』と五島の方言で受け答えしながら、自然に操船しているように見えるまで練習していました。休憩中も地元の農家さんと話をして『五島の人は肝が据わっていて、都会に住む私たちとはスケールが違う』と。娘役の永作博美さんとも現地の言葉で『およ、およ』と言いあっています」(NHK関係者)
早稲田、慶應、お茶の水女子大などに軒並み合格
1954年、香川県に生まれた高畑は、背泳ぎでは中学で県記録を作って全国大会に。県内最難関の高松高校で学び、受験では早稲田、慶應、お茶の水女子大などに軒並み合格。だが、どうしても演技を学びたいと桐朋学園短大芸術科に進学した。卒業後は青年座に入団。舞台は勿論、数々のドラマやバラエティ、クイズ番組にも出演し、2014年には紫綬褒章も受章した。
昨年公開の映画「女たち」の内田伸輝(のぶてる)監督も、高畑の演技を高く評価する。
「右半身不随の役をやるにあたって、高畑さんと私で何人もの患者さんや介護スタッフの方に話を聞いて、実態を学びました。撮影前から、右手をずっと拘束して生活。麻痺した身体の役柄に自分の身体を慣れさせていくためですが、なかなかあそこまで徹底できる方はいません」