人形のような仮面を被り、存在する人物として扱う“ドールモデル”を生み出し、世界中から注目を集めたmillnaさん(29)。YouTuberや人形作家として活動する彼女は、現在も「人形になるため」に様々なドールマスクを作っているという。
今でもドールマスクを被り続ける理由は何なのか。詳しく話を聞いた。(全2回の2回目/前編を読む)
◆◆◆
23歳の時に整形手術を受けた
――「人形になりたかった」とのことですが、例えば整形するという選択肢はあったのでしょうか。
millna 実は23歳の時に整形をしているんです。特に目元にコンプレックスがあったので、二重にしてもらって、それまでは苦手だった人前で話すことができるようになりました。でも、自分の本来の顔にはなることができなくて。やはり整形には限界があるんだと思います。
人形を被ることは、写真加工や整形と同じだと思っているんです。整形もドールマスクも自分であることには変わらないから。
自分を完全になかったことにして否定するためのドールマスクではないんです。自分を殺してドールになるんじゃなくて、自分自身もドール自体も自分なんです。
――なるほど。それで人形を作り続けていると。
millna そうですね。それに人形って性別がないと思っていて。昔から性的対象として見られることに嫌悪感があったんです。でも人形だとそれはないんじゃないかと思って。
実際には、「橋本ルル」(ドールマスクを他のモデルさんに着せて、存在する人物のように扱う)のプロジェクトをしていた時に、ストーカーされたり盗撮されたことがあったので、完全にそういうのがゼロになるわけではないですが、少なくとも人形を被っていない時とは全然違うのかなって。