1ページ目から読む
2/3ページ目

人形を被ることへの両親の反応

――millnaさんは現在ドールマスクは販売していないんですよね。

millna そうですね。ほしいと言われることはあるんですが、販売は今のところ考えていないです。

 ドールマスクは販売していませんが、大学時代から作品販売はしています。小さい頃から物を作ることが好きで14歳から人形作家として活動していて。美大には進学せず、普通の大学に行ったんですが、その頃に作品のネット販売を始めました。友達に梱包を手伝ってもらわなければ間に合わないくらい、ヒットしたこともあって。特に洋服が一番人気があって、8桁くらいの貯金ができたんです。それで就職はせずに自分のお店を開きました。

ADVERTISEMENT

――人形を作ったり、被ったりすることに対してご両親から何か言われたことはなかったのでしょうか。

millna 親からは最初は人形を捨てられそうになったりもしたんですけど、今では例えば血濡れの生首の作品を見て「おい、これ(本名)が好きそうじゃないか」って言ってくれるくらい理解してくれています(笑)。大学進学のときも「美大に行けばいいじゃん」って言ってくれてました。

――人形を被るのは身体的にきつかったりするのでしょうか。

millna ものすごくしんどいです。いろいろ改造して長時間被れるようになりましたけど、それでも私以外の人だと30分着ているのが限界だって言いますね。呼吸するスペースがそんなにないのと、見える範囲がとても狭いので、長くかぶるのは厳しいです。

 

 私の場合だと、特別な訓練をしているので3時間以上は着ていられます。ただ視界が広くないので、外に出る場合は誰かがいないと難しいですね。

――それでもやるのは、やはり本来の自分に戻りたいからだと。

millna そうですね。それに人形だと、絶対に可愛いことが保証されるじゃないですか。例えばメイクだったら、思い通りに行かない日もある。整形だって完璧ではない。だけど、ドールだと盛れない日はないんです。絶対に完璧な私でいられる。

――周りの目は気になりませんでしたか。