中学時代にイジメに遭っていたと語る中川翔子さん。中高一貫校から通信制の高校に転校したものの、自己肯定感はすっかり低くなり、生きる希望を失ってしまったと語ります。しかし16歳の誕生日に香港でジャッキー・チェンと出会ったことによって、人生の流れが大きく変わることに。デビュー前から波瀾に満ちた中川さんが振り返る、10代の日々は――。(全3回のうち1回目/#2#3を読む)

 

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お鼻も大きくて、「あの笑顔は本物だ…!」

――芸能界に入ったきっかけは、ジャッキー・チェンだったと伺っています。子どもの頃から、ジャッキー・チェンに憧れがあったのでしょうか?

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中川: 中学生くらいからずっと好きですね。当時、学校でみんなとうまくやれずに、いじめにも遭って、スクールカーストも下がっちゃったんです。学校が終わったら速攻家に帰って、趣味に没頭している時間だけが唯一楽しくて。漫画を読んだり、(松田)聖子ちゃんの曲を聴いたり、特撮を観たりしていて。カンフー映画を観るのもすごく好きで、ブルース・リーから始まって、ヌンチャクを作るとか色々やってるうちに、ジャッキー・チェンにはまりましたね。

 その後、高校に行っても自己肯定感の低さは相変わらずで。いつも「死にたい」とかそんなことばっかり言っていて。そしたら16歳の誕生日のとき、母が、今は若くて素敵な時期なんだから、誕生日くらい明るく過ごせるようにって、香港の旅行を計画してくれたんです。父親は9歳のときに亡くなってるし、裕福な家庭じゃなかったんですけど。

 

――香港は何日くらい行かれたんですか?

中川:1週間弱だったと思います。私も母もジャッキーが好きだったので、ジャッキーが経営するレストランに行ってみたんです。4日連続でお店に行ったら、なんとまさか! ジャッキーが店にいたんですよ。映画のスタントマンのチームの方たちと、ご飯を食べてたみたいで。オタク仲間の情報によると、ジャッキーはカナダでロケをしていると聞いていたので、ここにいるはずがない。でも、お鼻も大きくて、「あの笑顔は本物だ…!」って確信して。

「ハッピー・バースデー・ショウコ」って紙に書いて、ハグしてくれて…

 本人の姿を見たらもう胸がいっぱいになっちゃって。しかも、こんなキモチ悪いファンが近くに来られても、ジャッキーも迷惑だろうと思って、黙って泣いてたんです。