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「絵とか描いてんじゃねーよ、キモイんだよ!」いじめられた中学時代…救ってくれたのは、今の仕事にもつながる“あの世界”だった

中川翔子デビュー20周年記念インタビュー#3

2022/10/08

genre : エンタメ, 芸能

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「あいつ、今日もぼっちかよ――」中学時代は学校に馴染めず、いじめにも遭っていたと語る中川翔子さん。自分がこんな目に遭ってるなんて、誰にも相談しないし、周りに知られたくない。しかし、ブログという言葉すらなかった時代に、ネットに向き合い日記を書き始めると、少しずつ変化が生まれて――。(全3回のうち3回目/#1#2を読む)

 

◆◆◆

合わせなきゃって。それが全部空回りしちゃったんですよね

――学生時代にイジメを受けたと伺っていますが、小学生、または中学生くらいからでしょうか?

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中川:小学生の頃は、学校も普通に楽しかったと思います。絵を描くことが好きで、みんなそれぞれ個性があっていいね、と先生も扱ってくれて。クラスも仲が良かったし。イジメは、中学生になってからですね。

――何かきっかけがあったのでしょうか?

中川:たぶんこれが、っていうよりも、一つ一つの積み重ねだとは思うんですけど。

 ただ、覚えているのはプリクラですね。中学に入学した当初、友達と撮ったプリクラをみんなで見せ合う、みたいなのが流行ってたんです。でも、私は持ってなくて。隣に座っているイケてるギャル風の女の子に「プリクラ見せて」って言われて「ヤバい…!」ってなって。「明日持って来て」と言われたので、家に帰って何か無いか探したんです。でも、おばあちゃんがバザーに出すために作った、和紙を貼ったノートしかなくて。しかも、パッと撮れる友達も居なかったから、一人で撮った写真を貼っちゃったんですね。翌日、それを持って行ったら「えー、なにこれ。キモイんだけど」って、急に空気がおかしくなって。今思うと、そんなに無理することなかったじゃんって思うんですけど。でもそのときはテンパって、みんなに合わせなきゃって。それが全部空回りしちゃったんですよね。

 

――良かれと思ってしたことが。

中川:また、そこまで仲良くなかったけど、これから仲良くなれそうかなと思った人たちが家に遊びにきたことがあったんです。でも、翌日学校に行ったら「家にフィギュアがいっぱいあって、キモチ悪かった!」って周りに流されて。うわぁ…ってなって。

 教室に一人で座っていたときも、突然ボスグループにいる女の子が「ボンっ!」って座って、「大っ嫌い!」って言ってきて、聞こえないフリをしたり。修学旅行では、他の子たちと絵の見せ合いっこをしていたら、急に襖が開いて「絵とか描いてんじゃねーよ、キモイんだよ!」って言われてバタン!と閉まって。もうびっくりして、一緒にいた女の子と固まっちゃって…。誰にも迷惑かけてないのにって。なんだろう。今まで自分が好きでやってきたことが、全部キモイという範疇なのかなって。