――心機一転して。
中川:ただ、最初は「グラビアの子が来たぞ!」みたいな感じだったんですけど、なかなかうまくいかず、思うように仕事が取れなくて。結局、私は学校もうまくいかないし、こうやって憧れのことをしようとすると絶対ダメになるんだ。そういう人生なんだって、また自己肯定感がミニマムまで下がっちゃって。18ぐらいのときですね。そしたらまた奇跡が起きたんです。
最後だし頑張ろうと思って行ってみたら…
――奇跡?
中川:事務所をもう辞めよう。来月くらいには終わりにしようって本当に思ってたんです。気持ちも固まって、若干スッキリしたくらいで。そしたら急遽、番組のリポーターさんがお休みになって、私に依頼がきたんです。まぁ、最後だし頑張ろうと思って行ってみたら、なんと楳図かずおさんと一日一緒にロケをするお仕事でした。
私は子どもの頃から絵を描くことが好きだし、楳図さんの漫画も好きで、楳図さんの漫画を写経みたいによく描いてたんです。それくらい大好きだったんですけど、まさか会えるなんて思わないじゃないですか。
しかも実際お会いしたら、何者でもない私に対して、すごく優しくしてくださって。最後、ロケの終わりに楳図先生がロケバスに戻ってきてくれて。「じゃあ、またね」って言ってくださったんです。普通「お疲れ様です」じゃないですか。それが「またね」ってサラッと言って。その言葉は、もう芸能界も辞めよう、って思っていた私にはすごく刺さりました。「またね」ってことは、芸能界も、生きることも辞めなければ、またいつか会えるのかなって。それでギリギリまで辞めなくて。
その後もすぐに仕事があるわけではなかったですが、当時のマネージャーさんと何とか踏ん張っていました。その頃、途中からネットでブログを書き始めたんです。当時、ブログの走りだったこともあるし、ブログの反響が予想以上に大きくて、そこからお仕事が増えていった感じですね。
もう「天使かっ!!」やっぱり「神かっ!!」
――ジャッキー・チェンとは、その後お仕事で再会できたとか。
中川:ジャッキー・チェン事務所を辞めてから10年くらい経ってからかな。ジャッキーの主演映画の記者会見で、花束を渡すお仕事があったんです。
ただ、心の中ではモヤモヤした気持ちも残っていて。それでもジャッキーに会うと、ジャッキーは笑顔で対応してくれて。すごく嬉しくて。