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「11、12月と歌舞伎座では、市川海老蔵(44)の十三代目市川團十郎白猿襲名公演が行われます。中車はもともと12月公演の『助六由縁江戸桜』の朝顔仙平役で出演する予定でした。ところが配役発表前に性加害問題が報じられた。そこで急遽同じ澤瀉屋(おもだかや)の市川猿弥に替わったのですが、ここにきて、再び12月公演に中車を出そうという動きになっているのです」

12月公演の演目と出演者

海老蔵が松竹に「出してやってくれないか」

 だが、渦中の香川が出演となれば、大名跡の市川團十郎襲名公演という慶事に水を差す恐れも。なぜそんなリスクを取ったのか。

「海老蔵さんが『出してやってくれないか』と松竹に言っているのです」(同前)

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 香川が歌舞伎で初舞台を踏んだのは12年、46歳のとき。海老蔵は香川の歌舞伎界入りに深く関わっている。

「06年、海老蔵主演の映画『出口のない海』で共演したとき、香川は自分と息子の歌舞伎界入りの相談をしました。海老蔵は親身になって聞き、歌舞伎の基礎となる踊りを、香川の息子・市川團子が自分の妹・市川翠扇(すいせん)に習えるよう手筈を整えた。中車の澤瀉屋は市川宗家の弟子筋に当たるため、年下ですが後見人のような意識がある」(芸能記者)

海老蔵は間もなく團十郎を襲名

中車の出演について、松竹の回答は?

 興行主である松竹にも、思惑があるという。

「海老蔵は歌舞伎界の看板である市川宗家ですが、歌舞伎座よりも自分の収入になる自主興行を優先してきた。尾上菊五郎や片岡仁左衛門ら幹部俳優たちはその振る舞いをよく思っておらず、今回の襲名公演も松竹が頭を下げまくって、ようやく出てくれることになった。松竹としては中車出演で海老蔵に貸しを作っておきたい。中車を出すために、また幹部俳優に頭を下げなくてはならないのですが(笑)」(前出・関係者)

 松竹は中車の出演についてこう回答した。

「『12月大歌舞伎』につきましては、既に一部配役を発表させていただいておりますが、その他の配役につきましては現在調整中でございます」

 舞台で土下座、を見たい客がおるやも……。