秋真っ盛りの10月3日、「登山の日」。午後4時、品川のカフェで喫煙テラス席に並んで座りコーヒーをすする1組のカップル。2人は20分ほどで席を立ち、手が触れそうな距離で並んで歩き始める。優しく語り掛ける老紳士の顔を女性はうっとりと見上げ、人気が少ない道路に折れ曲がると、彼の背中を優しく擦った。
実はこの老紳士は歌舞伎界を代表する名優、15代目・片岡仁左衛門(78)。彼はこの女性と2年以上にわたって不倫関係にある。
上方歌舞伎の名跡・片岡仁左衛門がウォーキングデート
店を出て歩くこと15分、2人揃って品川神社の鳥居をくぐる。境内に聳える人工の山「富士塚」の、急な山道をしっかりとした歩みで登る、すらりと伸びた手足が印象的な仁左衛門。ジーンズにストライプの白いワイシャツというラフな格好で、頭にはゴルフの帽子をかぶっている。
傍らで、寄り添うように歩を進める色白で華奢な女性。彼女もまた黒のノースリーブに、ショートパンツと、歩きやすい服装で、同じく帽子姿だ。
2人は山頂に辿りつくと、並んで腰を下ろした。自然と近くなる互いの距離。眼下に広がる、品川の街を眺めながら、仁左衛門は彼女の腰に手を――。
350年以上の歴史ある上方歌舞伎の名跡・片岡仁左衛門。その13代目の三男・孝夫として生まれた。177㎝と歌舞伎役者にしては長身で細身の身体で、「大阪に孝夫あり」と言われた。98年に15代目を襲名。5代目坂東玉三郎との“孝玉コンビ”は女性を中心にブームを巻き起こした。人呼んで「ニザ様」。
“堅物”の仁左衛門に寄り添う壇蜜似の女性
プライベートでは小学校の同級生と結婚し、3人の子をもうける。2015年には人間国宝に認定された。今年6、7月には帯状疱疹で公演を休演したが快復し、この11月には13代目市川團十郎白猿襲名披露公演にも出演する。