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堤下さんは、6月下旬に倒れて、病院に運ばれた際、医師から”てんかん”の疑いがあると診断されたとのこと。このため、今回の事故についても「てんかんが原因ではないか」などと主張し始めたというのだ。

しかし、警視庁が、当該の病院から話を聴いたところ、堤下さんは、睡眠導入剤を服用していることを、医師に告げていなかったことが判明。その医師は、捜査員に対して、「内服薬を飲んでいないと聞いていた。薬を服用していると分かっていれば、てんかん疑いの診断は出さなかった」と話したという。

なぜ、堤下さんが、睡眠導入剤服用のことを、医師に告げなかったのかは分かっていない。

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目撃者が撮影した画像には、堤下さんとみられる姿が捉えられていた(「イット!」6月17日放送分)

「てんかんが原因」に警視庁が”断固”対応か

冒頭に述べたとおり、警視庁は、書類送検に伴い、起訴を求める「厳重処分」の意見をつけた。そもそも、書類送検に伴う処分意見には4つの種類がある。厳重処分の他に、検事に処分を一任する「相当処分」、起訴猶予がふさわしい時の「寛大処分」、不起訴を求める「しかるべき処分」だ。

今後、堤下さんに対する刑事処分を決めるのは担当検事だが、「厳重処分」の意見に沿えば、在宅起訴されて、公の法廷で審理されることも有り得る。ただ、堤下さんが起こしたのは、人身事故ではなく、物損事故だ。ケガ人はいない。

当初、容疑を認めていた堤下さんは、その後、否認に転じたという。

服用していたのも、違法薬物ではなく、正式に処方された睡眠導入剤だ。確かに、堤下さんは、2017年にも睡眠導入剤を飲んで車を運転して事故を起こし、略式起訴されている。今回の事故も含めて、都内と神奈川県で、合わせて3回の交通事故を起こしているという。

それでも、前回の事故は5年も前の話。”常習”とも言えないだろう。本当に起訴されるのか?略式起訴の罰金”増額”がふさわしいのでは?とも思われるのだが。なぜ、「厳重処分」の意見が付いたのか。”懲りない男”の容疑否認に、警視庁が断固たる態度で臨んだ可能性もある。さて、東京地検の判断はどうなるのか。

(フジテレビ報道局・解説委員 平松秀敏)