ふたたび飲酒がらみのトラブルだった――。酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕され、9月24日に釈放された元TOKIOメンバーの山口達也(48)。2018年にジャニーズ事務所を退所する原因となった女子高生への強制わいせつ事件の犯行現場でも飲酒しており、アルコール依存症の疑いが度々報じられてきた。

TOKIO元メンバーの山口達也 ©文藝春秋

 いま芸能界では、山口だけでなく「依存症」が疑われるトラブルが相次いでいる。9月に大麻取締法違反で逮捕された伊勢谷友介容疑者(44)を筆頭に、同月に所属事務所を契約解除された歌手の華原朋美(46)も薬物乱用疑惑が報じられている。6月に女性スキャンダルが発覚して活動自粛中のアンジャッシュ渡部健(48)についてもセックス依存症を疑う報道が相次いでいた。

 華やかな世界にいる芸能人は、なぜ依存症に陥るのか。複数の芸能事務所と契約し、実際に芸能人のカウンセリングも担当している明星大学心理学部心理学科准教授で、臨床心理士の藤井靖氏に聞いた。

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「アルコール依存症を克服したようにはみえない」

 山口は昨年、『女性セブン』(2019年9月12月号)の取材に対して、アルコール依存症や躁鬱病の治療のため一時は入院したものの、その後の病状について「だいぶ回復しています」「今はお酒のいらない生活をしています」と語っていた。しかし9月22日朝、追突事故を起こして飲酒運転が発覚。呼気1リットルから基準値の約5倍にあたる0.75ミリグラムものアルコールが検出された。

 藤井氏は一連の報道の中でも、逮捕直後に「酒が残っている自覚はあった」と供述していたにもかかわらず、送検後に「体に酒が残っているとは思わなかった」と容疑を一部否認する供述を始めた点に注目しているという。

釈放され警視庁本部を出る、TOKIO元メンバーの山口達也を乗せた車(9月24日) ©共同通信社

「アルコール依存症は“否認する病”。容疑を一部否認したことが事実なら、法的な意味や対策ということだけでなく、心理的にも『否認』したことの現れ。自分の現状を受け入れられない依存症の症状の一つとも考えられます。

 そもそも、昨年秋のインタビューの『だいぶ回復しています』『今はお酒はいらない』という曖昧な発言自体が、典型的な依存症の方の語り口にも感じられます。自分の状態を真っ正面から受け止められていないから、『自分なら、酒を飲んで運転しても大丈夫』という根拠のない自信、いわば“歪んだコントロール感”も芽生えるのです」(藤井氏、以下同)