11月4日の23時、ジャニーズファンたちから悲鳴があがった。King & Princeの平野紫耀(25)、神宮寺勇太(25)、岸優太(27)が、来年5月22日でグループを脱退することがファンクラブサイトで発表されたのだ。理由は以下のように説明されている。
《昨年より、今後の活動について、より具体的に話し合う時間が増えました。グループの活動のことから個人の人生について、時間をかけて本音で話し合った結果、大切にしていることは同じでも、海外での活動をはじめとして、それぞれの目指したい方向が異なることもわかりました》
つい3日前に滝沢秀明副社長(40)の退社が発表された衝撃も収まらぬ間のことだった。
King & Princeはジャニー喜多川氏がデビューさせた最後のグループであり、「紅白歌合戦」(NHK)にも2018年から連続出場を続け、2021年には「24時間テレビ」(日本テレビ)でメインパーソナリティを務めるなど王道を着実に歩み続けてきた。
そのグループからまさかの3人同時脱退、King & Princeに何があったのか、そしてジャニーズで何が起きているのか。その真相に迫るために、文春オンラインが報じたKing & Princeの歩みを再公開する(初出:2021年9月11日 肩書・年齢は当時のまま)。
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かつて、ジャニーズは国民的アイドルの宝庫だった。SMAPやTOKIO、V6、嵐など、地上波ゴールデンタイムに冠番組を持ち、メンバーは人気ドラマの主演に抜擢され、大手企業の広告塔にもなっていた。最盛期にはジャニーズはアイドルの代名詞だった。
しかしこれらレジェンドアイドルグループは、解散や活動休止、メンバーの脱退などの憂き目に遭い、活動が縮小。一時期に比べると、いまのジャニーズには彼らほどの知名度があるタレントは残念ながらほとんどいない。
CDが売れない時代のうえ、特撮もの・朝ドラへも出演が難しい
ジャニーズの勢力が弱まっている理由はいくつかある。
まずは1990年代などに比べてCDが売れなくなったこと、テレビを観ない人が増えていることなどの時代的な変化が当然ながら存在するだろう。ジャニーズのビジネスモデルは、CDの流通やテレビ露出にかなり依存してきたため、路線変更が出遅れた感は否めない。
また、近年のブレイク俳優のセオリーに乗れなかったこともあるかもしれない。佐藤健、菅田将暉、松坂桃李、千葉雄大、吉沢亮、竹内涼真、福士蒼汰、綾野剛、竜星涼、磯村勇斗、志尊淳、山田裕貴などは、みんな「戦隊・ライダーなどの特撮ヒーロー→朝ドラ」という流れで、お茶の間の知名度を上げてきた。
しかし特撮ヒーローシリーズも朝ドラも、基本的に遠方も含めたロケ撮影が中心で、かつ放送が長期にわたるため、撮影期間の拘束が非常に長い。コンサートツアーで全国を回るジャニーズがそのスケジュールを確保するのは至難の業だ。過去に朝ドラのメインキャストになったのは『あぐり』の生田斗真や、『純と愛』の風間俊介など“俳優枠”を除くと、『青春家族』の稲垣吾郎と、『てるてる家族』の錦戸亮くらいだった。
『ウルトラマンティガ』主演なのに黒塗りされていたV6長野博
そのうえ、特撮ヒーロー物や朝ドラでは、“ジャニーズならではの問題”も起きがちだ。長野博が『ウルトラマンティガ』で主演を務めたことがあったが、電子書籍『ウルトラ特撮PERFECT MOOK ティガ編』(講談社)で長野の顔写真が黒塗りされているとTwitterで話題になったのだ。また、特撮モノは再放送されることも多いが、その度にSNSではこうした声があがる。
《地上波に流す度にダイゴ(V6長野博)と『TAKE ME HIGHER』(※V6の楽曲)を消すの何なん? 事務所利権は分かるが、編集で一切の存在を消して犯罪者みたいな扱いしやがって》