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捜査幹部「これまでの対立抗争事件とはまったく形態が違う」

 警察当局の捜査幹部は、「井上の自宅への発砲事件などは、本人にボディーガードが張り付いているため、直接、狙えないためとみられる。6代目(山口組)としても『決め手を欠く』といった状態なのではないだろうか」と指摘する。

 トップ襲撃が困難であることは、6代目山口組系の元組員が法廷で供述した内容からもわかる。2019年11月、尼崎市で神戸山口組幹部の古川恵一が自動小銃で十数発の銃弾を浴びて殺害された事件で、逮捕された元組員が「当初は、神戸山口組組長の井上(邦雄)らも殺害しようとしたが、ガードが固く断念した」というのだ。

関係者に流出した写真には、神戸山口組幹部が射殺された現場に残された自動小銃とみられる凶器が写っていた

 こうした経緯を踏まえて、理容店での池田襲撃事件について、警察当局の捜査幹部は、「これまでの対立抗争事件とはまったく形態が違う」と強調する。

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「今回の事件は池田本人の身体への襲撃だ。6代目山口組分裂以降の対立抗争で、指定暴力団のトップが直接狙われたのは初めてのことではないか。池田の行動を以前から監視していて、この日は理容店にいることを把握しての計画的な襲撃だったことがうかがえる。池田が対立抗争の新たなキーマンとして浮かび上がったことで、6代目(山口組)側にとってみれば攻撃の対象となったのだろう」

 山口組分裂から8年目を迎えて、事態は新たなステージに入ったのだろうか。(文中敬称略。一部の肩書は当時)

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