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海星高で繰り返されている生徒の死

 隠蔽の恐怖を感じた両親は、第三者委を設置しての真相究明を学校に要望。その後も約20回にわたり教職員らと面会し、再発防止に努めるよう求め続けた。

「返事は『第三者委に全て任せている』ばかり。息子は加害者の実名入りの手記を残しており、武川氏も当初は『これはいじめだ』と認めました。それなのに、自殺から約1年たった段階でも担任や学年主任に加害者の名前すら知らせていませんでした」(同前)

 そして2018年11月、約1年4カ月の調査を経て第三者委が「自死の主要因はいじめ」との報告書を完成させるのだが……。

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「今度は一転して『論理的な飛躍がある』と主張し、報告書を否定する暴挙に出たのです。加害者への指導も拒み、彼らは何の注意を受けることもないまま卒業しました」(母親)

海星高校(学校HPより)

 実は海星高では生徒の死が繰り返されているという。

「1999年にも自殺があったと知人に聞き、武川氏に事実か問うと、返答は『そういうことはいちいちメモして記録してないから』。2019年5月にも学校の敷地内で生徒が自殺。いずれも原因は非公表ですが、学校の体質に一因があるのは明白です」(同前)

 カトリック系である海星高の校訓は「神愛・人間愛」。教職員が「悔い改める」日は来るのだろうか。