Q 新しい大学入試制度、ちょっと不安です。

 中学3年の子供がいます。大学受験を迎える2020年度からは、新しい大学入試制度が始まるそうです。現行のセンター試験は「大学入学共通テスト」に名称が変わり、出題形式も変わるようで、今から親子でちょっと不安を感じています。(40代・女性・会社員)

A 今回は試験内容の改革。あまり心配はいらないと思いますよ。

 入試制度がしばしば変わると、受験生は振り回されますね。

 私の頃はまだ共通一次もなく、国公立大学は独自に入試を実施していました。試験日は2回に分かれ、一期校、二期校と呼ばれました。一期校に落ちても二期校を受験できたため、「二期校は一期校のすべり止め」というイメージができてしまい、試験を一斉に実施する「共通一次試験」に変わりました。

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 ところが、1校しか受けられなくなった結果、受験生は自分の偏差値で志望校を決めるようになります。いわゆる「偏差値輪切り」が問題になりました。

 そこで、複数の大学を受験できるようにし、私立大学も参加できる仕組みにしようと、「大学入試センター試験」になったのです。

 ここまでは、いわば試験の仕組みの改革でした。これに対して、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」は、試験内容を変えようというものです。

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 これまでの共通一次試験やセンター試験はマークシート方式でした。これでは本当の実力が測れないという批判から、記述式の設問を入れることになったのです。

 ただし、記述式は採点が大変です。多数の受験生の答案をどうやって採点するのか、という大きな問題があります。そこで、記述式の設問はわずかになるのではないかという見方もあります。

 なので、あまり心配はいらないと思いますよ。結局は、しっかり実力をつけた受験生が勝つのですから。

 ただし、英語は大きく変化しそうです。共通テストは、センター試験で出題されてきた「読む」「聞く」に加えて「話す」「書く」を含めた4技能を測るため、民間試験を活用することを決めています。どこの民間団体の試験を使うかは、現在検討が始まっています。

 どこの団体になるにせよ、英語に関しては、民間が実施する検定試験を受けて慣れておくという対策は有効かもしれません。

 でも、不安なのは誰も同じです。親が心配していると、その心配が子に感染します。親はどっしりと構えていましょう。

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