Q 個人参加のロシア人選手がメダルを取ったら?
2014年のソチオリンピックで、ロシアの組織的なドーピングが認定されました。その結果、IOC(国際オリンピック委員会)は平昌オリンピックへのロシア選手団の参加を認めないことを決定しました。折衷案として、個人としてならロシアの選手も参加できる見込みだそうです。仮に、ロシアの選手が個人で参加してメダルを取った場合、国旗掲揚や国歌演奏はどうなるんでしょうか。(10代・男性・学生)
A メダルを取っても国旗の掲揚や国歌の演奏はありません。
気になるところですね。選手は個人の資格で参加するので、メダルを取っても国旗の掲揚や国歌の演奏はありません。
国旗の代わりに五輪旗が掲揚されます。国歌の代わりはオリンピック讃歌です。
そもそもオリンピックは個々の選手が競うもの。国旗・国歌となると、国威発揚の国家間の競争になってしまって、オリンピックの本来の理想からはかけ離れてしまいがち。五輪旗の掲揚とオリンピック讃歌の演奏は、本来の姿かもしれませんね。
ちなみに五輪旗は、青・黄・黒・緑・赤の五色の輪が連結した形です。ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアの五大陸と、その相互の結合、連帯を意味しているそうですが、どの色も特定の大陸を意味したものではありません。「黒はアフリカ大陸をイメージしている」などと言われることがありますが、全くの俗説です。
オリンピック讃歌は、オリンピックを復活させた1896年の第1回アテネオリンピックの開会式で演奏されました。
その後、1958年にIOC(国際オリンピック委員会)の総会が東京で開かれるに当たって、JOC(日本オリンピック委員会)が作曲家の古関裕而に依頼してオーケストラ用に編曲。総会の開会式で演奏して以来、これが公式のオリンピック讃歌となりました。
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