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“電車のイス”がリビングに…?“いろいろ「鉄道級」な家庭用イス”を鉄道会社が作り出した話

紀伊半島のターミナルから旅立つ#2

2022/11/28

汚れても拭けばOK、ガリガリにされても大丈夫で…って、これいくらするんですか?

 3人掛けソファーは「WEST EXPRESS 銀河」個室プレミアムルームのソファーベッドをアレンジしたもの。こちらも3人掛けといいながら、小柄な人ならゆうは5人も座れそうなくらいのゆとりのあるサイズで、背面のキャットウォークも件の通り。

 
 

 

 いずれにしても、もしも飲み物をこぼしてしまってもすぐに拭き上げれば汚れは最小限にとどめることができる。もちろんネコがガリガリしても大丈夫。そうしたモケット素材の強みを活かしながら、「WEST EXPRESS 銀河」のデザインを活かして高級感もまたたっぷりと含んでいる。

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 となると、どこで買えるんですか? おいくらくらいですか? というお話に。聞いてみると……。

「クッションとカーペットはすでに販売しており、そのほかのソファーやテーブルなどは2022年度末から受注販売をはじめる予定にしています」(JR西日本テクノスの担当者)

 気になるお値段は、クッションが2万9700円、カーペットが500×500mmのサイズを32枚セットで62万7000円。受注販売になるソファーは3人掛けで104万5000円……。はっきりいって、お高い……。

 

聞いてびっくりな価格の理由は…

「そもそも『WEST EXPRESS 銀河』も量産ではないので使われている座席やテーブルは一品限りの特注品。それをさらにアレンジして受注生産で販売するので、これくらいの価格にはなりますね……。もちろんそれに見合っただけの、高級感のある家具だと自負しています」(JR西日本テクノスの担当者)

 ちなみに、現時点で販売の窓口になるのは同じくJR西日本グループのジェイアール京都伊勢丹。百貨店で売っているような家具ならば、確かにこのくらいの価格帯は珍しくない。

「このオマージュ家具は、『WEST EXPRESS 銀河』で使われているものをご自宅でも、というだけでなく、純粋に家具としてみたときにも充分魅力的なものであるよう、追求してきました。

『WEST EXPRESS 銀河』に乗っていただいている方ももちろんですが、鉄道には特に興味がない方でも、満足していただける座り心地、使い心地。そこを目指していまも試作を続けています」(JR西日本テクノスの担当者)

 つまり、この「WEST EXPRESS 銀河」オマージュ家具は、鉄道車両のイスを売る、などという範疇にはとどまらず、新たなブランド家具をJR西日本が世に送り出すチャレンジ、といったほうが正しいようだ。