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 サッカーをプレーするのは選手自身だ。僕らサポーターがどんなに声を張り上げてニッポンコールを送ろうが、結果を変えることはできない。

 しかし、関与不可能な事象だとわかっていても、僕らサポーターはピンチの時に「頑張れ!」と声援を送ったり、チャンスの時に「決めろ!」と念じたりする。

 アンコントローラブルな事象に対して、力が及ばないと理性的にわかっていたとしても、人間というものは願掛けを行って、何とかしようとするのが本性だ。

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 そして結果的にピンチを防いだりゴールが決まったりすると、半端ない量のアドレナリンが放出され、至福の時を迎えるのだ。

 浅野拓磨のシュートがゴールネットを揺らした瞬間、日本代表サポーター皆が咆哮し、スタジアム全体が“揺れた”。そんな錯覚に陥るほどに、スタジアムは興奮のるつぼと化した。

浅野の逆転ゴールに咆哮する日本代表サポーター ©Kazuki Okamoto

 この体験をスタジアムで体感すると、もう人は病み付きになる。

 ドイツ戦勝利後、ジャパンブルーのユニフォームを着てドーハの街を闊歩(かっぽ)するだけで、道行く人から「Congratulations!」と何度も褒められる。

「推し」が頑張って勝ち取った結果なのに、あたかも僕らの成果のように賞賛を浴びるのだ。

 推しを推すためにカタールまで来たのに、推しの存在のおかげで今度は僕らが推された気分になる。

 これは各国のサポーターが当事者として参加するワールドカップ独特の効果とも言える。

ドイツ戦勝利後、ジャパンブルーのユニフォームを着て歩く日本代表サポーターたち(写真=村上アシシ)

想像を遥かに超える体験が待つカタールへ

 当然、毎回好結果が伴うわけではない。2006年ドイツワールドカップ、2014年ブラジルワールドカップは1勝もできないまま、僕らサポーターも失意の帰国となった。

 今回もまだ1勝しただけだ。日本代表が目指すベスト8という新しい景色を見るためには、決勝トーナメントに進出できなければ意味がない。その行く末を左右する第2戦コスタリカ戦は、日本時間で11月27日19時キックオフだ。ぜひテレビ越し(もしくはスマホ越し)に応援してほしい。

 第3戦は現地時間の12月1日22時、グループステージを勝ち上がれば決勝トーナメント1回戦は現地時間12月5日 or 6日だ。

 さすがにコスタリカ戦には間に合わないが、第3戦以降の現地観戦は今からでも遅くはない。もしお金と時間に余裕があるならば、カタールに飛んでこないか? そこには想像を遥かに超える「体験」が待っているはずだ。

カタールW杯日本代表の今後の試合にも、劇的なドラマが用意されているかもしれない ©JMPA

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。