サッカーワールドカップで、ドイツ相手に事前の予想を覆す逆転勝利をおさめた日本。試合終了時は深夜にもかかわらず、渋谷駅前のスクランブル交差点で感情を爆発させる人が少なくなく、その様子が一部で話題になった。
そして迎えた27日のコスタリカ戦。この試合はグループステージ突破に大きく近づいた状況であるうえに、19時キックオフと多くの人が街に繰り出しやすい時間帯に試合が行われる。つまり、ドイツ戦以上の狂騒が予想されていたわけだ。
結果的に、格下相手に敗戦を喫してしまった日本だが、当日の渋谷はどのような状況だったのか……。
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試合開始1時間前の時点では…
試合が始まる前に、渋谷区宇田川町の大手スポーツショップを覗いてみると、レジには長蛇の列ができていた。店員の方に話を聞いてみると、「ドイツ戦のときとは盛り上がりが全く違いますね。特に得点を決めた選手のユニフォームについて聞かれることがめちゃくちゃ増えてます」という。
一方、TVモニターを置いていない飲食店は我関せずの状況だ。
「全然関係ないっすね。うちは外国人のお客さんが多いんですけど、そういう人たちもあんまり興味ないんだな、みたいな状況っす。
お客さんが減ってるってわけでもないんですよ。サッカーに興味ない人は興味ないってことなんじゃないんすかね」
試合開始1時間ほど前になってもスクランブル交差点はいつもの様子。サムライブルーのユニフォームが目立つことはなかった。
さりとて、もちろん周りとは関係なく盛り上がっている人もいる。
声をかけたのは「ニッポン! ニッポン」とスクランブル交差点に向けて高らかに歌い上げる男性だ。
「普段は会社員をしているんですが、今日はさすがにちょっと……。明日も朝から仕事なんですが、この後は(グループステージ突破に大きく関係する)スペイン対ドイツ戦まで渋谷にいるつもりです」
そこから、バスケットボールストリート(センター街)まで足を運ぶと、代表戦を観戦するための酒場を探す若い人たちが目立つ。
「どこも無理なんすよ。今日はほんとにエグい。無理ならスクランブル交差点にたむろだね」