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「負けるべくして負けましたね」とバッサリ…城彰二が語ったコスタリカ戦無得点の“決定的要因”と、スペイン戦に見出した“唯一の勝機”

城彰二が見るカタールW杯とサッカー日本代表 #3

2022/11/29
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 スペインはドイツ、コスタリカよりも明らかに強い相手ですし、攻撃的なチームなので、完全に主導権を握られるでしょう。ある意味、コスタリカ戦のコスタリカに日本がなる感じだと思います。勝機を見出すとすれば、まずは11人で徹底して守り切ることですね。試合を0-0で終わらせ、ドイツが勝ったとしても得失点差で2位抜けするしかない。

 ただ、ドイツが2点以上取って勝った場合、グループリーグ敗退が決まりますが……。とにかく守備一辺倒になってもいいので、勝ち点1を狙いにいくしかないでしょう。

スペイン戦も厳しい戦いが予想される ©JMPA

スペイン戦の理想のスタメンは?

――コスタリカ戦ではスタメンが5人入れ替わりましたが、スペイン戦の理想のスタメンは?

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 基本的にドイツ戦と同じでいいと思います。前田(大然)を1トップにして、左サイドは久保(建英)か、相馬でもいい。あとはトップ下に鎌田、右サイドに伊東で、ボランチは遠藤と守田。でも、遠藤はちょっと心配です。

――遠藤が心配というのは?

 ドイツ戦でかなり消耗したと思います。それにコスタリカ戦は暑い中、フル出場を果たした。ちょっとミスが多かったのは、かなり疲れているからだと思うんです。

 この状況は、東京五輪の時とすごく似ているんですよ。遠藤はずっと試合に出続けていたので、準決勝のスペイン戦では相当疲れ切っていて、ミスが多かった。そのことを考えるとコスタリカ戦は休ませてもよかったのかなと思いました。

疲労が心配される遠藤航 ©JMPA

――最終ラインには、ケガ人が出ています。

 最終ラインは長友(佑都)、吉田(麻也)、板倉(滉)でいいけど、右サイドバックの酒井宏樹がいないのが痛い。それに本来ならスペイン戦で冨安(健洋)を起用したかったはずです。でも、故障しているので。うーん、この最終ラインがどこまで耐えられるか。下手をすれば、かなりちんちんにされるかもしれません。

――日本がスペインに勝つ、あるいは引き分けに持ち込む可能性はどのくらいありますか。

 日本がスペインに勝つ確率は30%ぐらい。引き分けは40%ぐらいでしょう。でも、ここで本気のスペインに当たる怖さですよね。

 僕もスペインでプレー経験があるので、彼らの技術の高さ、スピード、強さを理解しています。しかも今のスペインは若手とベテランが融合していて、本当に強い。こてんぱんにやられないことを祈るしかないですね。

©JMPA

(取材・文=佐藤俊)

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