城 日本は、ターンオーバーするようなレベルじゃない。それに連携面を考えると、海外組の選手が多く、招集時間も短くて、事前合宿が組めない中、ちょっとした練習でコンビネーションを深めていくのはすごく難しいんです。そこで、鎌田らと一緒にやったことがない上田を使って、前半だけで交代させました。
後半の最初から浅野(拓磨)を出すんですけど、だったら最初に使ったほうがいい。あれだけ前半ボールを保持している中、ドイツ戦のメンバーでいけば2、3点は取れた。前線の組み合わせ、メンバー構成を含めて監督が間違えてしまったのかなと思いました。
城氏が危惧する“アトランタ五輪の二の舞”
――攻撃は、単調で単発に終わっていました。
城 相手が攻めてこない中、日本は一定のリズムでパスを回して、全部2タッチで横に流していくだけなので、相手は怖くないんですよ。くさびとなる縦パスが入ると相手も警戒するんですけど、そういう縦のボールを入れられる選手がいなかった。
ほぼハーフコートマッチになっていたことを考えると遠藤(航)と守田(英正)のどちらかに代えて、柴崎(岳)や田中碧をといった、前にボールを出せる選手を入れたほうが攻撃が機能したと思いますし、鎌田がより活きたと思います。鎌田は、ずっとボールがほしいと要求していましたから。
――途中から3バックにして、ドイツ戦の再現をしようとしました。
城 三笘(薫)を左のアウトサイド、伊東(純也)を右のアウトサイドに入れて、両サイドを上げる超攻撃なシステムに変更したけど、僕はシステムを変えるよりも遠藤を代えるなり、人の配置を変えたほうがいいと思っていました。
もちろん策はいろいろあったと思うんですが、結局ドイツ戦のような形にすれば何とかなるんじゃないか、という風に見えてしまいましたね。
――コスタリカに負けて日本は1勝1敗で勝ち点3。前回、城さんが指摘されたアトランタ五輪に流れが似てきています。
城 本当にアトランタ五輪の二の舞になりそうですね。あの時、自分たちは3試合で2勝1敗だったんですが、2試合目のナイジェリアに0-2で負けた失点が大きく、得失点差で上に行けなかった。1点の重みを痛感させられました。
だから、今回のコスタリカ戦の0-1という敗戦が本当にもったいないし、悔しいですね。しかも、今回の最終戦はスペイン。僕らの時はハンガリーでしたが、その相手とはまるでレベルが違います。
――そのスペインに、日本はどのように対峙していけばいいのでしょうか。