平川理恵教育長(54)がトップを務める広島県教育委員会と、平川教育長と親しいNPO法人パンゲアとの契約を巡り、官製談合防止法違反の疑いがあることを「週刊文春」が報じた問題。県教委は12月6日、同法人と結んだ2件の契約について、官製談合防止法違反や地方自治法違反があったとする外部専門家の調査結果を公表した。

 法令違反の認定を受け、平川教育長は「ご迷惑をおかけしましたことを大変申し訳なく思っております」と謝罪。6日午後の記者会見で説明するとしている。一体何が起きていたのか。「週刊文春」の一連の記事を再公開する(初出:文春オンライン 2022年9月14日掲載 年齢・肩書き等は公開時のまま)。

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 親密NPOを巡る「官製談合」疑惑を「週刊文春」が報じてきた広島県の平川理恵教育長(54)。平川氏を“一本釣り”した湯﨑英彦知事が「しっかりと説明する必要がある」と言及するなど、問題への注目度は高まっている。

 9月14日、10時半から行われた広島県議会の文教委員会には平川氏が出席。自身の「虚偽答弁」疑惑について釈明に追われた。

平川理恵氏(県教委のユーチューブ)

答弁の訂正ついて最後まで明言を避けた

 発端は「週刊文春」(8月11日号)の記事だった。同記事では、平川氏が担当部長らとの会議で「NPOによる指導については県で予算化」「パンゲアに金額の算出をお願いしている」などと、平川氏と親密な関係にあるNPO法人「パンゲア」の関与をうかがわせる発言をしたと報じていた。その後、県議会の文教委員会で辻恒雄県議から「このような発言をしたのか」と問われた際に、平川氏は「いたしておりません」と答えていた。

 だが、小誌は第2弾の記事(9月8日号)で、平川氏が当該の発言をしていたことが記された当日の会議記録を入手、詳しく報じた。なお、平川氏は、パンゲアが運営するサマースクールに過去に娘を参加させるなど縁が深く、パンゲアの代表者らと会食していた。平川氏が教育長に就任する前はゼロだった県教委からパンゲアへの発注が、就任後は、分かっているだけで計6件、約2600万円と急増している。

三人でピースする平川教育長(左)とパンゲアの高崎副理事長(中)、森代表(右)(森氏のフェイスブック)

 14日の委員会では再び辻県議が質問に立ち、「答弁を訂正すべきではないか」と厳しく質した。平川氏は「答弁は正確に行うべきであり、本当に申し訳なく思っております」と陳謝するものの、「パンゲアの関与ありきではないという趣旨を伝えたかったために……」と論点の異なる説明を繰り返した。親密NPOとの疑惑を巡り、その他の事実関係を詳しく聞かれると、県教委総務課長が平川教育長に代わって「(来週にも外部の)専門家に調査を依頼することに致しておりますので」などと答えた。辻県議からは「(議会での答弁を)訂正をすべきだと思う。そうでないと(間違った)答弁が議事録に残る」と質されたが、訂正をするかどうかについても最後まで明言を避けた。