平川理恵教育長(54)がトップを務める広島県教育委員会と、平川教育長と親しいNPO法人パンゲアとの契約を巡り、官製談合防止法違反の疑いがあることを「週刊文春」が報じた問題。県教委は12月6日、同法人と結んだ2件の契約について、官製談合防止法違反や地方自治法違反があったとする外部専門家の調査結果を公表した。
法令違反の認定を受け、平川教育長は「ご迷惑をおかけしましたことを大変申し訳なく思っております」と謝罪。6日午後の記者会見で説明するとしている。一体何が起きていたのか。「週刊文春」の一連の記事を再公開する(初出:週刊文春 2022年8月11日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)。
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平川理恵教育長(54)が率いる広島県教育委員会と、平川氏と親密な関係にあるNPO法人との間で、官製談合防止法に違反する疑いのあるメールが交わされていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
平川氏は、民間から登用された教育長として、メディアでも取り上げられてきた。
「平川氏は京都市生まれで同志社大学を卒業し、リクルートに就職。留学支援の会社を起業後、教育業界へ転身し、2010年からは横浜市で民間公募の中学校長に。文科省中央教育審議会の委員も務めた」(教育ライター)
平川氏自身、特に広島に縁はなかったが、湯﨑英彦知事から一本釣りで教育長就任を打診され、県議会の承認を受けて2018年に就任。1期3年で、昨年2期目に突入した。
「著書でも『イケてる教育委員会』を掲げ、従来の行政を『すぐに条例があるので無理ですという』と猛批判し、『バシバシとメスを入れる』と宣言。国際教育の充実やオンライン環境の整備など次々と改革を進めている。メディア露出も多く、一昨年にはNHK『あさイチ』でも特集されました」(同前)
「週刊文春」が独自に入手した疑惑のメールの日付は今年5月16日。
表題は「工業高校女子生徒によるHP作成プロジェクトについて」。送り主は県教委高校教育指導課の係長級主査。送り先は、国際的な子ども同士のつながりを促す事業を手掛ける「NPO法人パンゲア」(京都市)の代表者・森由美子氏と副理事長・高崎俊之氏だ。
メールでは「平川教育長から森様にもお伝えしていることと存じますが」と前置きしたうえで、事業の仕様書案を添付するなど詳細を説明。更に、
「実質190万円程度以内で本プロジェクトを実施する必要があります」
と予算についても記載され、続いて直近に迫る5月下旬が「入札公告」、6月下旬が「入札・業者決定」などと細かなスケジュールも書き添えられている。