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2023年の論点

“アマチュア体制”で国内、国際試合も少なく競技人口も減少……逆風を乗り越え日本ラグビーが「OneTeam」になれたワケ

2023/01/08

source : ノンフィクション出版

genre : エンタメ, スポーツ

 2022年6月、日本ラグビー協会の会長に就任しました。日本のラグビーは19年のワールドカップ(W杯)で観客動員も、日本代表の成績でも成功を収めましたが、23年のW杯に向けて一層の飛躍を目指し、22年から新しく国内リーグ「リーグワン」を発足させました。その年に私は会長職を拝命したのです。

 今から23年前、1999年のW杯のとき、私は日本代表チームのFWコーチで、監督は平尾誠二でした。当時は海外がプロ化していく一方、日本国内はまだアマチュア体制で、国内試合も国際試合も少なく、世界と戦える状況ではなかった。

世界と戦うために日本ラグビーが行った改革

 そこで強くなるための環境整備としてトップリーグを作った結果、国内試合のレベルも高まり、エディー・ジョーンズ、ジェイミー・ジョセフという日本と世界の両方を知るヘッドコーチ(HC)を迎えたこともあり、15年と19年のW杯では日本代表が躍進しました。

 99年W杯当時、平尾と私はニュージーランド(NZ)出身のマコーミックを主将に、元オールブラックスだった現HCのジョセフも日本代表に選んで臨みました。当時は「日本代表に外国人を何人入れるんだ」という批判もいただきましたが、20年後の19年W杯では、もっと多くの外国出身選手を加えたチームが、ダイバーシティの象徴として多くのファンに受け入れてもらい、「OneTeam」という言葉も流行しました。これは日本社会の変化でもあると思います。

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日本ラグビー協会が掲げる2つの目標

 私の職場でも、肌の色も言葉も違う社員が普通に席を並べて働いています。異なるバックグラウンドを持つ人たちがワンチームを作って目標に向かっていく姿が、これからの日本のロールモデルとして受け入れてもらえたのだと私は考えています。

 日本ラグビー協会では、20年以内にもう一度W杯を招致して、そこで優勝するという目標を掲げています。同時に女子の15人制や男女の7人制でも世界の上位を目指し、国際大会も開催していきたいと考えています。そのためには投資が必要です。合宿、遠征、選手育成にも費用はかかる。