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 現在、日本ラグビー協会の予算規模は約70億円です。世界一裕福なイングランド協会は約350億円。これは突出していますが、NZは150億円程度。これは日本も到達可能な額だと思います。従来のチケット収入、スポンサー収入だけでなく、映像配信などの事業展開も考えています。

さらなる高みを目指すために行なうべきミッション

 こうした取り組みを成功させるためには、ファンのサポートが必要です。19年のW杯では「にわか」と呼ばれる新しいファンがたくさん誕生しました。ニワカの皆さんは、以前からの固定観念がない分、ラグビーの素晴らしさにダイレクトに感動し、SNS等でその喜びを発信してくれた。今後も、さらに多くの「にわか」の皆さんに試合を観て感動してもらい、仲間を増やしてもらうことが、私たちのミッションです。

 そのためには、自分のラグビー経験だけではなく、ビジネスの世界で培ったものも全て出していくつもりです。私は勤務するサントリーで、プレミアムモルツの販路開拓などに取り組み、現在はサントリーホールディングスの常務執行役員を務めています。私が会長に推挙されたのは、こうしたビジネス経験を評価されたからだと理解しています。

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自ら周りに発信することによるリピーターの増加

 以前のサントリーはCM、広告、売り方にいろいろ工夫をしてきたけど、先行メーカーの壁をなかなか突破できなかった。そうした局面を打開するためには、美味しいものを作って、飲んでもらう。当たり前のことですが正面からいくしかない。

 社員が銀座の飲食店を一軒一軒回って、『一ヵ月で良いので、ウチの商品をお得意様に飲んでいただけませんか』とお願いし、ファンを増やすことから始めました。すると初めて飲んでくれた方が『おいしかったよ』と喜んで、自ら周りに発信してくれたのです。ラグビーも同じ。いい試合を観てもらい、感動したお客さんが、また観に来たいと思う。そこから「にわか」の方々が生まれ、そしてリピーターが増えていくと思います。