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《藤川球児、上原浩治が名球会入り》「ようやく重い腰を上げた…」古田敦也新理事長「特例」乱発は“もろ刃の剣”

《藤川球児、上原浩治が名球会入り》「ようやく重い腰を上げた…」古田敦也新理事長「特例」乱発は“もろ刃の剣”

2022/12/13
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「100勝、1000安打」で大谷入会?

 藤川、上原両氏はMLBでもプレーした。五輪やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)と国際舞台でも活躍した。特例の先鞭をつけるにふさわしい人材で、入会に異論は聞こえてこない。

上原氏 ©文藝春秋

 となると今後の特例については、「100勝、100セーブ」の大野豊氏や佐々岡真司氏(ともに元広島)らの処遇が焦点となる。さらに今季、2000安打(過去54人)より、はるかに達成者が少ない450本塁打(同14人)に到達した454本塁打の中村剛也内野手(西武)はどうなるのか? それ以前に474本塁打を記録して引退した田淵幸一氏(元阪神など)は?  前人未到の3度のトリプルスリーの山田哲人内野手(ヤクルト)、通算416ホールドポイントの宮西尚生投手(日本ハム)は? などの人選について改めて議論する必要が出てくるだろう。

 古田理事長は、大谷翔平(エンゼルス)に関しては「100勝、1000安打」での名球会入りの可能性に言及する。「特例にもある程度の数字の目安があった方がいい」との認識からの言葉だ。確かに条件を曖昧にしたままで特例を認め続ければ、名球会の権威低下につながりかねない。

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大谷翔平 ©時事通信社

特例が“政治力学”やムードに左右される可能性も

「上原はチームが負けても安打数が積み上がる打者と、チームが負けると好投しても勝ち星が付かない投手との不公平感を口にしていた。ただ、野球は厳然とした数字の世界でもある。質まで吟味することには限界がある。数字で評価するしかないことを踏まえた上で、ファンの共感が得られる基準を設けていかないと。特例がその時々の“政治力学”やムードに左右される可能性がある。そうなるのはいかがなものか」(前出の元監督)

 03年に250セーブを導入するまでは頑なに200勝、2000安打しか認めてこなかった名球会のステータスを今後どう守っていくかは、新理事長が描く「未来図」に懸かっている。

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