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金融資産は日本の大きなアセットではあるが、資産家が日本から諸外国に逃げ出し、外国からも日本に入ってこなくなったら、そのアセットを失ってしまうことに繋がる。そうしたら株価にも悪影響が生じ、投資家も日本の市場から逃げ出す事態となるだろう。
しかし、税率を下げれば、人とカネが集まる魅力が日本にはあるはずだ。税金がネックとなり、これまではシンガポールなど海外で設立されていたWeb3関連企業が日本に戻ってくることも期待できる。そうすれば、中長期的には税収の観点からもプラスになるだろう。
また、公益法人改革により、フィランソロピーエコシステムを醸成し、もうひとつのお金の流れを作ることも必要だと思う。アメリカでは30兆円を超える寄付が個人により行われ、このような資金が企業や組織の研究開発分野に使われている。
日本にいま必要なのは、「イノベーション・プラットフォーム」としての国、という視点だ。新しい技術から新しいサービスを作り出し、世界に通用するビジネスを展開する人々を増やす。国内外の優秀な人材にとって居心地が良く、力を発揮できる環境を作っていく。
そのためには、税率を下げることが一丁目一番地の最優先課題だろう。にもかかわらず、現在検討が進められている政府の動きは文字通り、それに逆行している。
「未来」に向けて挑戦する若い次世代の実業家が日本でメガベンチャーを作り、ジャパニーズドリームを実現する――そのための環境整備こそが何より求められているのだ。