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「野球は阪神」の不文律はなぜ崩れたのか

 ただ、統合当時のNPBへの提出書類には球団運営は阪神が行う旨が書かれたという。オーナーは阪神の会長・社長が就くのが不文律。実際、角会長も昨年正月の共同通信のインタビューでは「野球は阪神(電鉄)がやる」と答えていた。

「潮目が変わったのが岡田彰布さんの監督就任でした」

 そう語るのは、阪神球団関係者だ。

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「球団幹部は常々『阪急には球団を絶対渡したくない』と語っており、これまでは阪神電鉄の秦雅夫社長が次期オーナーに就き、その後は谷本修球団オーナー代行が有力視されていました。二人は京大の先輩後輩です。そして今夏、次期監督は阪神球団内では、平田勝男二軍監督の昇格で一本化された。しかし、最終的には角会長と同じ早稲田大出身の岡田さんが再登板することになったのです」(同前)

オーナー交代となった藤原崇起氏(左)と岡田監督 ©時事通信社

 監督人事を巡っては、メディアに「阪急や角の話を書くな!」と言い放った幹部もいたほど、球団の阪急アレルギーは強かったという。だが岡田監督就任で阪急色が強まり、今回のオーナー人事で、“阪急タイガース”が完成した。

「来春の人事で球団役員の異動がある可能性は高い。数字もこれまでより求められる。観客動員数アップだけでなく、不採算事業はシビアに見られるでしょう。野球教室などの野球振興事業や、総工費約100億円の二軍本拠地の尼崎移転計画などにメスが入るのではと囁かれている」(球団OB)

 最近、岡田監督の口癖、「そらそうよ」を商標登録申請した阪神だが、これも阪急改革の一つなのか。