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りくりゅうが流した涙の“本当の意味” 「日本フィギュアのお荷物」、記者にもスルー、ホームシックを越えて

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技を試した瞬間、100%呼吸が合った

 出会いは衝撃的だった。後に「言葉では表せない相性」と木原が表したように、初めて技を試した瞬間、100%呼吸が合ったと言う。スケーティングのタイプも、スピードのある演技が好みな点も共通していた2人は、いつしか「璃来ちゃん」「龍一君」と9歳差を感じさせない息の合ったペアになっていった。「合わせているんじゃなく合うんだよね。ぶつかっても一緒に改善できる」と三浦は語っている。

日本人ペアとしては史上初となる入賞を果たした(北京五輪にて) ©️榎本麻美/JMPA

演技テーマに込めた「2人だからこその強さ」

 日本を離れカナダに拠点を置く2人の一番の試練はコロナだった。ロックダウンで練習も移動もままならず三浦はホームシックでふさぎこんだ。救ったのは木原だ。ドライブに誘い、テレビゲームを一緒に楽しむ中で三浦は気持ちを立て直した。木原は言う。

「2人ともすごく辛い時期を乗り越えてきて気持ちを共有できるので、全ての試合を楽しめます」

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 今季のプログラムのテーマはショートが「人間は1人では歩いていけない」(木原)、フリーが「自己犠牲愛」(三浦)。北京五輪、そして今大会と、2人だからこその強さを証明してきた。3月の世界選手権(埼玉)では、かつてない大注目を浴びることになるだろう。

りくりゅうが流した涙の“本当の意味” 「日本フィギュアのお荷物」、記者にもスルー、ホームシックを越えて

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