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目を疑うような看板が……!

 “この先、この国道490号においては萩までの間(美東町二反田~萩市山田の間13km)は道路巾が狭く乗用車でも通行が難しい箇所があります。”

 と書かれている。なかなか丁寧にこの先の道路状況を伝えてくれる。驚くのは、その続きだ。

 “お急ぎとは思いますが Uターンをして県道32号の通行を御勧めします。山口県”

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国道ではなく県道を勧める看板が

 手前の交差点で国道490号と県道32号が分岐しているが、そのまま並行してどちらも萩市に向かっている。国道は酷い道になるので、県道を走ることを推奨しているのだ。

看板の建てられていた道路。たしかに国道とは思えない道幅の細さだ

 国道をUターンしてまで県道に迂回しろというのは、尋常ではない。日本で最高峰の道路である国道が、格下となる県道を走るよう勧めているのだ。国道としてのプライドはないのかと問いたい気もするが、事実として県道のほうが走りやすいのだから、仕方がない。

 また、国道といっても国が直轄で管理している国道は実は少なく、都道府県が管理している国道のほうが多い。この国道490号も、山口県が管理している。国道490号と県道32号の管理者が異なれば争いに発展してもおかしくない状況だが、どちらも山口県が管理しているため、こうした看板が設置できたのだろう。

 看板を見てここでUターンするドライバーも少なくないだろうが、私は酷道を走りたくて山口まで来たのだから、もちろん直進する。看板を過ぎるとセンターラインは消えるが、対向車と楽にすれ違うだけの道幅はある。田園地帯をゆく国道には、山口県特有のオレンジ色のガードレールがひときわ映える。

 すると、先ほどと全く同じ看板が現れた。念には念をということだろうか。2枚目の看板を過ぎると、対向車とのすれ違いがやや困難な細い1本道となった。

2枚目の看板に遭遇

 そして、またしてもUターンを促すあの看板が立っていた。3回目だ。しつこいぐらいにUターンを促してくる。

Uターンを促す看板がなんと3枚も

 道路地図やカーナビを見て「国道490号で萩へ行こう」と考えていたドライバーが、1回目は迷いながら突破したとしても、3回目ではさすがに負けてUターンするだろう。大事なことは、一度言うだけでは伝わらない。どうしてもこの道を走らせたくないという、山口県の強い意志が伝わってくるようだ。