――それで実際に、札幌から飛び出してきたわけですね。なんでも、入社する時点ではまったく運転経験がなかったとか?
トラックめいめい そうなんですよ。面接の時、「免許は入社してからでいい」と言われていたので、4ヶ月の研修期間中に、普通免許と準中型免許を同時に取りました。
研修の内容は運転技術を向上させよう、チームワークを作ろうといった話で、学校のような雰囲気でしたね。「せっかく卒業したのに、また学校かぁ」なんて思いつつ、実際に働ける日を待ち望んでいました。
――研修中にそれだけ前向きでいられる人はそう多くないように思いますが、仕事に対する不安はなかったのですか?
トラックめいめい どうでしたかね、仕事がちゃんとできるかという不安はあったように思いますが、「とにかくやってみるしかない」という方が強かったですね。実際にやってみて、どうしようもなく合わなければ、それはその時考えればいいなって。
男性は100人くらいいるのに、女性は1人だけという環境で……
――実際に、トラックドライバーとして働きはじめる時にはどんな気持ちだったのでしょう。
トラックめいめい もちろん緊張はしていましたよ。でも何より、「この業界でやっていかなきゃ」という思いがあったので、まず周りの人たちに自分の心意気を知ってもらおうと考えていましたね。「札幌から出てきました、戻らない覚悟でここにいます」みたいなテンションだったと思います。
――やる気満点の女性ドライバーが入ってきて、周りの社員の方も盛り上がったのでは?
トラックめいめい 実はその会社が、高卒の女性ドライバーを採用したのが初めてだったんですよ。会社に同期の女性は3人いたのですが、営業所は別々で。なので配属先では、男性が100人くらいいるなか、女性は私1人という環境でした。さすがにやっぱり、注目の的というか、いつもステージに立っているような感覚がありましたね。
――それは、「チヤホヤされている」という感覚ですか?
トラックめいめい いえ、むしろ最初は、みんなから「どんな子なんだろう」という目を向けられている感じでしたね。初めて高卒の女性ドライバーが入ってきて、心配されている面もあったんだと思います。
でもとにかく、周りの人たちをガッカリさせたくないと思って、言われたことにはいつも全力で応えていましたね。結果的に、男性と変わらない仕事を任されるようにはなりました。私の方も、「まぁ同じ人間ができるんだから、私もできるだろう」と思ってやっていましたね。
今は大型免許を取って、関東の運送会社に転職しましたが、初めての職場では周りに支えられることも多くて、「人に恵まれたな」と感謝でいっぱいです。