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PL戦で延長17回を投げ抜いてくれた松坂さんに感謝

斎藤 松坂さんが準々決勝のPL戦で延長17回を投げ抜いてくれたお陰で、それ以降、延長は15回までとなり、それで決まらなかったら翌日に再試合というルールができた。僕がもし、延長戦で15回以上投げ続けていたら、勝てたかどうか分からない。だから、ルール作りのきっかけになった大輔さんの力投に感謝です。

松坂 PL戦はさすがに疲れたけど、練習の方がきついので、試合は解放感いっぱいで楽しかった。試合の合間にバッティングセンターやボウリング場にも行っていたし(笑)。

斎藤 えっ、ボーリング場ですか!

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松坂 さすがに僕は左手で投げていましたけどね。バッティングセンターではみんなでホームラン競争をやっていた。

斎藤 そういうところが横浜高校の甲子園への来慣れ感なんですよね。

©文藝春秋

2人の理想とする監督は

――いずれ野球の指導者になると仮定して、理想とする監督はどなたですか。

松坂 オリックスの中嶋(聡)さんかな。直接言いましたよ、「中嶋さんの元で勉強させてください」って。すると「いつでもどうぞ」と(笑)。日本シリーズの時にベンチの雰囲気を見ていたんだけど、選手とコーチの垣根がなく、中嶋さんの性格がチームに現れていた。

 捕手というポジション柄、野球のことを緻密に知っているし、一回りほど年下の僕でも平気でイジることができる人間的器の大きな人。年下に慕われるタイプだと思う。

斎藤 中嶋さんはライオンズの時に松坂さんとバッテリーを組んでいましたよね。僕が入団した頃は日ハムのコーチ兼任捕手だったので、僕も中嶋さんには本当にお世話になった。厳しいことも言ってくれるけど、その中に優しさを感じるんですよね。

 ただ、監督としていうなら僕はやっぱり栗山さんですね。全然結果が出なくてファームで苦しんでいる時も、「結果とかに関係なく、佑樹が今やろうとしていることを諦めずに前を向いてやりなさい。そんな姿を多くの人に見せれば佑樹の成長にも繋がるし、周りの人を幸せにするためにも必要なことだよ」と。

 現役の時に栗山さんに頂いた言葉の数々は、引退して壁にぶち当たった時も思い出して前に進める。選手の時だけでなく、選手の長い人生を考え指導してくれた栗山さんを、やはり人としても見習いたいと思いますね。

松坂 これからは僕らも新たな勉強をしなければならない。互いに頑張ろう。

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