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「良英さんが寂しゅうないように、こっちで思うてあげてるからねって言いよるん」
哲代おばあちゃんは見守る側でもあるのだ。
倶会一処とは、倶にまた、お浄土で会えるというお釈迦さまの教え。哲代おばあちゃんは、良英さんとの再会シーンを思い描いては私たちに聞かせてくれる。
「しわが増えてしもうたから。気付いてもらえんで素通りされたらどうしよう」
肩を落とし、うつむいてみせる。
「いや、声で分かるかもしれん。大声で歌いながらいこうかしら」
ひとり、くくくと笑う。
つられて、こっちも笑ってしまう。死後の話なのに湿っぽさはなく、むしろ生き生きと想像の翼を広げる哲代おばあちゃん。円熟した人が放つ、穏やかな輝きを感じる。死は怖いことではなく、生きることの延長にあるのだと教えてくれる。
「向こうに、ええ人がいたりして」
なんて、時にかわいく嫉妬したりする。5冊の「終活ノート」には書いていないが、「死に化粧は念入りにしてね」と姪たちに伝えているという。
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