沢 大前提として、日本はアメリカに比べて体に負担の少ない治療法を選んでいるようで、その分、治療がゆっくりなんですよね。たとえば排卵誘発剤にしても、強い薬を使っているアメリカでは、私の場合ですが、日本に比べて採卵数がすごく多かったです。
アメリカの先生は「絶対妊娠させる」という意気込みがすごくて、体へのケアよりも成功率を大事にしていると感じます。
46歳で渡米、年齢的なタイムリミットが…
――不妊治療というと時間的に急ぎたい年齢の方も多いでしょうから、そういった意味でアメリカでの治療を選ぶ方もいると。
沢 母体をいたわりながら妊活できるのは日本でしょうし、今は不妊治療が保険適用になったりもしているんですよね。アメリカはスピード感という点ではいい選択肢だと思いますが、治療費は高額です。年齢的なタイムリミットがあった私にはアメリカでの治療が向いていましたが、どちらも一長一短なので、やはりそこは考えるべきところでしょうね。
――沢さんが渡米したのは2014年だそうですが、もしかして子どもを授かるためにアメリカへ?
沢 そうですね。それも大きな目的の一つでしたが、もともと『ビバリーヒルズ高校白書』を10代の頃に見て以来、いつかアメリカ留学してみたいという気持ちがあったんです。46歳で留学したんですけど、2年以内によきパートナーに巡り合えなかったら、精子ドナーを使って妊娠して日本に帰ろうと考えていました。
私、日本ではずっとアナウンサーとして働いていて、仕事は好きでしたが、残りの人生を考えたとき、自分は子どもがほしい、という思いが一番強かったんです。で、最後の力を振り絞ってここに来た、という感じです(笑)。
医師から「若くて優秀な卵子」を勧められたことも
――アメリカの不妊治療で他に驚いた点は?