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 アメリカに行く少し前、妊活中の私に「50で出産なんて、生まれた子どもがかわいそう」と言った友人がいました。そんな風に思っていたのかとびっくりしました。

 でも、その人が私の人生をずっとサポートしてくれるわけじゃないですから、やっぱり自分がやりたいことをやるのが一番大事なことじゃないかと思い至って。案の定、そのお友だちは去っていってしまったので、自分の心に従ってやりたいことをやって良かったなと思います。

妊娠がわかった瞬間の心境は

――その結果、見事に不妊治療が成功して妊娠されたわけですが、体外受精は何回かトライされて?

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 1回目の体外授精で妊娠できたんです。

――10年以上待ち望んだ妊娠が判明した瞬間のお気持ちは。

 もう、なんでしょうね。人生の色が、景色の色が変わるぐらいうれしかったですね。

――ご自分で、検査薬で判定を?

 体外受精した日から毎日、毎日、毎日、毎日、やってました。この十何年で何本買ったんでしょうね。環境に悪いんじゃないかってぐらい買いましたよ(笑)。

 ただ、たぶんダメだろうって思う日はペラペラの紙製の検査薬を使って、勝負に出るときだけちゃんとしたプラスチックの検査薬にして使い分けていました(笑)。

沢さんと1歳4か月のときの息子さん(本人提供)

――陽性になった妊娠検査薬は記念になりますね。

 陽性に変わった瞬間は本当に嬉しすぎて。写真まで撮ってずっと眺めてたりとかね。でも、待望していた分、不安も大きくて、陽性を示す線の色が薄くなって消えちゃうんじゃないかとか、いろいろ思いましたね。

 妊娠中はずっと緊張してて、このままキープさせて、キープ、キープ、キープ……と祈るような気持ちでした。

――それはやはり高齢妊婦ゆえの不安ですか。

 不妊治療の病院は高齢の人が多いので「高齢」とすら言われなかったんですけど、いざ妊娠して総合病院の産科にうつると、もう「高齢妊婦」ですらなく、「HIGH RISK」と書かれた黄色いラベルをペタッと貼られて「ハイリスク患者」になったんです。

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