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「ある意味虐待なんじゃないか」などの否定的な声
「自慰行為にふける娘に対する母親の嫌悪感がストレートに描かれていることもあり、『お母さんがこんなに子供を嫌がるなんて、ある意味虐待なんじゃないか』などの否定的な声もありました」(同前)
センシティブなテーマだけに、賛否両論があることは出版前から予想できたという。それでもなぜ、谷川さんは本作を世に送り出そうと思ったのか。
「私も子供が3人いるからよくわかるのですが、『幼児自慰』に限らず、子育て中は予想外のことに直面して自分を追い詰めたり、子に嫌悪感や不信感などのネガティブな感情を抱いたりすることもあるんです。ただ最近は炎上などが怖くて、そういう“ドロドロした気持ち”を話しづらい状況ですよね。
でもだからこそ、触れにくいテーマと子を持つ親の本音に踏み込んで、子育てに悩んでいる親世代の気持ちを掬い上げたいと思いました」(同前)
4歳の娘の自慰行為に悩む母親が、わが子と向き合い、葛藤を乗り越えていく過程で描かれているのは、紛れもなく「親子愛」だ。そして最後には、本作なりの“答え”が用意されている。
「まずは『幼児自慰』というのが実際にあるという事実を知ってもらいたいと思います。そして一度本を開いてみれば、最後まであっという間に読ませる力のある作品です。最後は本作なりのハッピーエンドもあるので、あまり怖がらずにお手にとってもらえたら嬉しいです」(同前)