自分の体はだいじなものというシンプルなメッセージで性教育を考える本書。「やさしい文とほのぼのした絵で大切なことを教えてくれる」と、幼い子供を持つ親や教育の現場で評判だ。
「小学生向けに性教育本の企画を考えていたとき著者で産婦人科医の遠見先生と出会い、当時2歳だったお子さんとのエピソードを知りました。『おしりも おまたも おっぱいも ぜんぶ だいじ だいじよ~ ○○ちゃんのからだは ○○ちゃんのものよ~』とお風呂で体を洗ってあげていたら、あるとき『だいじだいじは自分であらうの! ママ、さわっちゃダメ!』とお子さんに泣かれたという話です。生理や妊娠のしくみより、プライベートパーツ(胸や口、性器など)を理解し、大切にすることを伝える絵本を未就学児に向けて作りたいと思いました」(担当編集者の谷口由美子さん)
パンツで隠れる部分や胸や口は特別大事で、他人に見せたり触らせたりしない、「見せて」と言われたら逃げて大人に話そうといったことが描かれている。登場人物のイラストは男の子にも女の子にも見え、性被害は性別に関わらず、誰にとっても他人事ではないという作り手の意識が感じられる。
「この絵本を通じてプライベートパーツについてコミュニケーションしていただき、性暴力の加害や被害がなくなる一助になることを願っています」(谷口さん)