大切なのに積極的になれない性教育の知識を、易しく伝えるコミックエッセイが、口コミでヒット中だ。
「性教育というと性交の話の印象が強く、『イヤらしいこと』と不潔視されることが多いですが、本当は違うんですよね。実は親である私たち世代は十分に性のことを教わってきていない。だからこそ生まれる偏見や間違った認識に気づき正しい知識を得られれば、毎日の生活の中で自信を持って子どもに伝えられるようになります。そして、性にまつわるトラブルを防ぐことに繋がるんです。企画のきっかけは、私自身、息子が生まれてから男の子の体をどう洗うか、『うんち』『おちんちん』などといい出したときにどう対応するか、性犯罪への防犯意識をどう教えるかといった、日常的な心と体のケアに悩むことが多くなったこと。そんなとき、著者のフクチさんが親として同じような悩みを抱えていると知り、本書の企画をご提案したんです。性教育の専門家として村瀬先生に関わっていただいたのは、『性教育とは人権の話である』と明快に話されていたからです。人間関係を築く力を育てる学問だと知り、印象が変わりました」(担当編集者の因田亜希子さん)
徹底した親目線が魅力。
「性教育に対する親の戸惑いを『私もそうです』という気持ちで否定せず、なぜそう感じるのかを掘り下げました」(因田さん)
2020年3月発売。初版6000部。現在10刷6万2000部