子どもは小学校入学前から自分のことが自分でできるようになり始め、社会性を身に着けていきます。そんな時期に「性教育なんてまだ早い」と思っていると、子どもから質問されたときにうまく答えられず、困ってしまうかもしれません。

 ここでは、5歳から18歳までの幅広い年齢に対応した性教育をイラスト入りでわかりやすく解説する『親子で考えるから楽しい! 世界で学ばれている性教育』(講談社)より一部を抜粋。小学校入学前から中学年の子どもに「性」について教える際の心構えを紹介します。(全2回の1回目/後編を読む)

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「自分がどこから来たか」幼い子どもたちも興味しんしん

 子どもから、「ねえねえ、自分はどこから生まれてきたの?」なんて聞かれると「キターッ! これがうわさに聞いてたアレか~」と思いますよね。

 私の娘も幼稚園の時、そう聞いてきました。思わず「ある冬の日に『トントン、開けてください』って来たんだよ」といい加減なことを言ってごまかしてしまいました。娘は「ふ~ん」と言いながら、まったく納得できていない顔。それが性教育の入り口になるとは、そのときの私はわかっていなかったのです。

『親子で考えるから楽しい!世界で学ばれている性教育』より

 日経DUALの調査(2016年)によると「子どもから性に関する質問をされたことがある」と答えた人は6割。質問をされた親の半数以上は、「赤ちゃんができるまで」を聞かれています。

 子どもの年齢別で見ると、小学校に行く前の年長児の8割以上、年中児の7割以上と、小さな子どもも「自分がどこから来たか」に興味しんしんです。ママの生理や、男女のからだの違いについても、疑問を持っています。

「幼稚園児に性を教えるなんて早くない!?」「思春期になってからでいいんじゃないの?」と思うかもしれません。でも、ティーンエイジャーの子どもを持つ立場からすると、思春期の子どもにいきなり性の話をすることは、とってもむずかしい!