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小学4年生が保健の授業を「エロい話をした」と…出遅れないために意識したい性教育の“10歳の壁”

小学4年生が保健の授業を「エロい話をした」と…出遅れないために意識したい性教育の“10歳の壁”

『親子で考えるから楽しい! 世界で学ばれている性教育』より #1

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 小さな頃から、質問の機会を積極的に利用したり、その年齢に合った話題を使って、話をしたりすることで、自然な下地作りができると思います。

 世界の状況を見ると、ユネスコのガイダンスでは5歳から、そして『ヨーロッパにおけるセクシュアリティ教育スタンダード』ではなんと0歳からの性教育ポイントがまとめられています。学校教育の中でも学齢に応じて性の知識や意識を深めていく取組が行なわれている国が多くあります。

「どんなことをどんなふうに教えているのかな?」と大人自身が興味を持ったら、もう性教育のはじめどきです。「まだ早い」「もう遅い」はないので、さっそく情報集めからはじめてみてはどうでしょう?

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『親子で考えるから楽しい!世界で学ばれている性教育』より

性被害、男の子たちも注意!

 息子が5歳頃のこと。公園で遊んでいると、息子の友だちがトイレに行きたいと言いだしました。その子のお母さんは「男の子だから大丈夫でしょ! 行ってきて!」と、ひとりで行かせていました。そんなシーンはよくあること。親としては自立をうながすことも大切だけど、本当に男の子だと危険はないのかなと考えてしまいました。

 法務総合研究所のデータ(平成7~26年)によると、強制わいせつの被害者数は、女性のほうが圧倒的に多いものの、男性だけを見ると、0~12歳に被害が集中。聞き取りをした117人が受けた加害行為のおもな内容は「性器をさわる、さわらせる」が半分近くになっています。男の子も性被害にあっていることがわかります。

 精神保健福祉士・社会福祉士で、『「小児性愛」という病』の著者である斉藤章佳さんによれば、「加害行為のしやすさ」から男の子をねらう犯罪者が多いそうです。加害者に言わせると、男児は、女児に比べて「無邪気で素直」。警戒心が弱かったり、被害の自覚をしづらかったりすることから、よりねらいやすいと思われているようです。