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小学4年生が保健の授業を「エロい話をした」と…出遅れないために意識したい性教育の“10歳の壁”

小学4年生が保健の授業を「エロい話をした」と…出遅れないために意識したい性教育の“10歳の壁”

『親子で考えるから楽しい! 世界で学ばれている性教育』より #1

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友だちやスマホから情報を得る前がいい!

 また性に対するネガティブなイメージは、周囲の大人だけでなく、友だちやインターネットからの情報の影響も大きいといえます。10歳という年齢は、スマホを持ちはじめる時期でもあり、インターネットなどで興味本位で得た情報から、性に対して、「いやらしい」「汚ない」など、否定的なイメージを持ってしまうこともありそうです。

『親子で考えるから楽しい!世界で学ばれている性教育』より

 友人の小4のお子さんは、月経と射精をテーマにした保健の授業のことを、「エロい話をした」と話していました。理由はその子の友だちが「生理も射精もセックスのためにあるからエロい」と言っていたから。友人はそれまで子どもと性について話したことなどなく、いきなりすぎて、対応できませんでした。

 その後「おくれをとった!」と自覚した彼女は、性のことは人間にとって自然なこと、大切なことで、「エロい」でかたづけられないものだと伝えたそうです。

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 テレビなどで、ラブシーンが出てきても「子どもは見ちゃダメ!」という態度はとらず、堂々と「美しいね」「気持ちが伝わってよかったね」など、肯定的なコメントをしていると言っていました。子どもを子ども扱かいせずにオープンなコミュニケーションを心がけることで、親子で10歳の壁を越えようとしています。

 10歳の子どもはすでに大人びてきているので話づらいのもたしか。でも親子で性の話ができる関係作りは、一生の親子関係に役立ちそうですね!

 子どもが何歳であっても、子どもの性に対する関心を大切にしてくれる、そして子どもと一緒に疑問を解決していこうとしてくれる大人が近くにいれば、性教育のうえで「10歳の壁」はなくなるはずです。

小学4年生が保健の授業を「エロい話をした」と…出遅れないために意識したい性教育の“10歳の壁”

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